MRが楽しい

MRやVRについて学習したことを書き残す

ARとVRデバイスを色々調べてまとめる(HTC Vive)

ARとVRデバイスを色々調べてまとめる VR枠その2 HTC vive です。

HTC Vive

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www.vive.com

スペック

本体スペック

OS外部PC接続
スピーカー3.5mmジャック
電源USB給電
重量620g(ヘッドバンド含む)

外部PC要求スペック

CPUIntel i5-4590同等以上
GPUNVIDIA GTX 1060同等以上
メモリ4GB以上のRAM
OSWindows 7 SP1以降

ディスプレイ

視野角約110度
解像度(全体)2160×1200
解像度(片目)1080×1200
リフレッシュレート90fps

搭載センサ

センサジャイロセンサー/加速度センサー/位置センサー
ラッキングカメラベースステーション(2個)
ルームスケールサイズ11.5ft(約3.5m)四方
参考:VIVE
   https://www.vive.com/jp/
参考:いま買うべきVR機器は?
   http://japanese.engadget.com/2016/09/20/vr-playstation-vr-oculus-rift-htc-vive-vr/
参考:HTC ViveとOculus Rift CV1&Touchを徹底比較
   http://blog.livedoor.jp/wisteriear/archives/1063074467.html
参考:徹底検証!VIVEとOculus Touchのトラッキング機能にはどんな差があるのか?
   http://vrinside.jp/news/vive-vs-oculus-rift-touch-roomscale/
参考:HTC viveのスペック情報とおすすめアプリ、ゲームを紹介する
   http://blog.endstart.net/article/htc-vive-spec.html

価格

HTCvive9万9,800円税別
※ 日本向け販売価格

長所/短所

長所

・広い視野角と高い解像度による没入感の高さ
・広域なルームスケール機能、ベースステーションによるトラッキング性能の高さ
・steamとの連携によるコンテンツの豊富さ

短所

・高額な価格設定
・起動にはHTC viveとは別に外部PCが必要

アプリ開発環境

・Viveport SDK
・Unity/Unreal Engine 4など
参考:開発者のためのViveportのご紹介
   https://developer.viveport.com/jp/develop_portal/

感想

HTC社から一般向けに販売されているHUD型VRデバイスです。

優れた点について

本機の優れた点はハイエンドVRデバイスとしては最高レベルの広い視野角と高い解像度です。
映像面でも非常に高い没入感を提供してくれます。
HTC viveではそれに加えてルームスケール機能の存在があります。
11.5ft(約3.5m)四方の空間を仮想空間として歩き回ることができるため、仮想空間内の移動面でも高い没入感を提供します。
特にアトラクション系のアプリと親和性が良く、イベントで利用されるVRデバイスOculus RiftよりHTC viveが多い印象です。

筐体以外の利点

本体としての優れた点だけでなく、HTC viveには環境面での利点も多く存在します。

第一の利点として、コンテンツが非常に充実していることです。
HTC viveはアプリストアとして既存のPCゲームストアのsteamをプラットフォームとして利用しています。
このため、非常に多くのゲームコンテンツがHTC viveのVR機能に対応しています。
Oculus RiftはOculus Homeという新規ストアを利用しているため、専用アプリの数には倍以上の差があります。

第二の利点として、日本の国内販売店の存在です。
対抗機であるOculus Riftは日本国内の代理店が存在せず、Oculus社に直接注文を行い、国際宅配で受け取る形となります。
その点、HTC viveは国内に代理店が存在し、そこから購入することができます。
非常に高額な買い物のため、故障などのリスクを考えると、日本在住の個人ユーザにはとても有り難いでしょう。

第三の利点として、販売台数の多さです。
現状での販売台数はHTC viveがOculus Riftを上回っています。当然ながら販売台数が多ければ情報も多くなります。
上記の代理店問題もあってか、日本の開発コミュニティはHTC viveの方が活発である印象を受けます。

Oculus Riftと比較した際の難点

第一には価格の問題があげられます。
2017年3月1日にOculus Rift CV1が値下げを行ったことから、その価格設定に大きな差が発生しました。
本体のみだと1.5倍近い価格となります。見た目上のスペックは差ほど変わらないため、購入者としては悩み処となるでしょう。

また、対抗機のOculus Riftと使用感を比較した場合、欠点として上げらることが多いのは重量の問題です。
事実、HMD本体はOculus Riftと比較して重いことと、重心の設計が前面寄りなのが、Oculusに劣る点として指摘されます。
しかし致命的なほどの問題ではなく、あくまで比較すると感じられる程度の問題のようです。

ARとVRデバイスを色々調べてまとめる(Oculus Rift CV1)

ARとVRデバイスを色々調べてまとめる VR枠その1 Oculus Rift CV1 です。

スペック

本体スペック

OS外部PC接続
スピーカー専用ヘッドホン
電源USB給電
重量440g(ヘッドバンド含む)

外部PC要求スペック

CPUIntel i5-4590同等以上
GPUNVIDIA GTX 970/AMD R9 290同等以上
メモリ8GB以上のRAM
OSWindows 7 SP1 64ビット以降

ディスプレイ

視野角約110度
解像度(全体)2160×1200
解像度(片目)1080×1200
リフレッシュレート90fps

搭載センサ

センサジャイロセンサー/加速度センサー/地磁気センサー
ラッキングカメラ赤外線センサ(1~3個)
ルームスケールサイズ8.2ft(約2.5m)四方
(センサー3台時)
参考:Oculus Rift
   https://www.oculus.com/rift/
参考:いま買うべきVR機器は?
   http://japanese.engadget.com/2016/09/20/vr-playstation-vr-oculus-rift-htc-vive-vr/
参考:HTC ViveとOculus Rift CV1&Touchを徹底比較
   http://blog.livedoor.jp/wisteriear/archives/1063074467.html
参考:徹底検証!VIVEとOculus Touchのトラッキング機能にはどんな差があるのか?
   http://vrinside.jp/news/vive-vs-oculus-rift-touch-roomscale/
参考:Oculus Rift スペック情報
   http://vrinside.jp/vr/oculus-rift/

価格

OculusRiftCV1(専用コントローラ含まず)$499(約6万4000円)税別
OculusRiftCV1(専用コントローラ(OculusTouch)含み)$599(約7万7000円)税別

長所/短所

長所

・広い視野角と高い解像度による没入感の高さ
・専用コントローラ(OculusTouch)の動作没入感の高さ
・ハイエンドVRとしては低めの価格設定

短所

・HTCviveと比較した際のルームスケールの狭さ
・専用コンテンツの少なさ
・起動にはOculus Riftとは別に外部PCが必要

アプリ開発環境

・RIFT PC SDK
・Unity/Unreal Engine 4など
参考:Oculus Rift開発者用のSDK1.3がリリース
   http://www.moguravr.com/oculusrift-sdk13/

感想

Oculus社から一般向けに販売されているHUD型VRデバイスです。
本デバイスは筆者が所有しているものとなります。

優れた点について

本機の優れた点はハイエンドVRデバイスとしては最高レベルの広い視野角と高い解像度です。
現状、最高品質の仮想空間への没入感を提供してくれます。
対抗機として注目されるHTC viveと同じ視野角と解像度ですが、レンズの違いかOculusの方が映像が鮮明という意見が多いです。
(VRは広い視野角を実現するための魚眼レンズ部により、一般的に中央部の方が画素の密度が高くなるよう調整されています)

専用コントローラ(Oculus Touch)について

これは私個人の使用しての感想です。
対抗機のHTC viveと比較した際、Oculusの最大の優位点は専用コントローラ(OculusTouch)の優れたデザインです。
グリップ型のコントローラは構成がとても優れており、ハンドトラッキングについても高い没入感を提供してくれます。
物を掴む、手を開いて離す、触れる、何かを指さす、などの動作が自然に行えます。

Oculus以外のデバイスにもコントローラとして利用したいほどに優秀です。
Oculus Riftを購入する際は必ず専用コントローラも同時購入することを進めます。
後述しますが、逆に言うと、現状Oculusの優位点はこのコントローラを除けば価格くらいです。
しかし、他の欠点を補って余るほどに素晴らしいコントローラです。

HTC viveと比較した際の欠点

Oculus Riftは優秀なデバイスですが、対抗機にHTC viveが存在し、ハイエンドVRとして非常に近いコンセプトを持っています。
そして両機を比較した際に、Oculus Riftの欠点が見えてきます。

大きな欠点として、指定の領域を仮想空間として歩きまわるルームスケール機能の弱さがあります。
HTC viveが11.5ft(約3.5m)四方のルームスケール機能を提供しているのに対し、Oculusは追加のセンサを購入しても8.2ft(約2.5m)四方程度となります。
更に追加センサを購入しない場合、360度トラッキングができないため、回転動作を行うと背後を向いた際にコントローラのトラッキングが切れるなどの問題が発生します。

HTC viveとのトラッキング手法の違い

何故、同じハイエンドVRにも拘らず、Oculus Riftはトラッキング性能で劣るかについてです。
これはOculus RiftとHTC viveではトラッキング手法が根本から違っていることに原因があります。

端的に言うと下記の違いがあります。

Oculus Rift

 HMD本体が照射する赤外線を設置センサが受信して位置情報を算出する。

HTC vive

 設置センサが照射する赤外線をHMD本体が受信して位置情報を算出する。

つまりトラッキングのアプローチが全く逆です。
このため、Oculus RiftHMD本体がHTC viveに比べて軽い代わりに、ビーコンが障害物に隠れる背後のトラッキングができない。
また、一つのセンサで複数台のHMD本体の追跡を行えないという問題を抱えています。

Oculus社も追加のセンサを販売し、ソフトアップデートで複数センサによるトラッキングを可能にするなど対応を行っていますが、ハードウェアの構造は変えられません。
このトラッキング手法の違いが、今後、Oculus RiftとHTC viveの命運を分ける要因となりそうです。

ARとVRデバイスを色々調べてまとめる(MOVERIO BT-300)

ARとVRデバイスを色々調べてまとめる AR枠その3 MOVERIO BT-300 です。

MOVERIO BT-300

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www.epson.jp

スペック

本体スペック

CPUIntel Atom5 1.44GHz Quad Core
メモリ16GB Flash/2GB RAM
OSAndroid 5.1搭載
スピーカーイヤフォン出力
無線LANWi-Fi 11a/b/g/n/ac (5GHz)
BluetoothBluetooth バージョン4.1
バッテリー約6時間駆動
リチウムポリマーバッテリー2950mAh
電源AC100-240V 50/60Hz
重量69g

透過型ディスプレイ

方式シリコンOLED(有機EL
アスペクト比16:9
解像度1280×720
画角約23度(対角)

搭載センサ

センサーGPS/地磁気センサー/加速度センサー/ジャイロセンサー/照度センサー
RGBカメラ500万画素×1個
参考:BT-300 仕様
   http://www.epson.jp/products/moverio/bt300/spec.htm
参考:第3世代スマートグラスMOVERIO『BT-300』を開発
   http://www.epson.jp/osirase/2016/160223.htm

価格

BT-3008万3280円税別
※ オープン価格
参考:エプソンダイレクトショップ

長所/短所

長所

Android内蔵型のスタンドアローン機のため、単体動作可能
・HUD型ARデバイスとしては手頃な価格設定 一般向けの販売
・軽量コンパクトな本体デザイン

短所

・スペックによる3Dアプリ開発の性能/機能制限
ジェスチャー用深度カメラや音声認識用マイクなどのセンサはなし

アプリ開発環境

Android Studio
Epson提供SDK
参考:MOVERIO BT-300 ドキュメント
   https://tech.moverio.epson.com/ja/bt-300/developers_guide/developing_apps.html

・Unityにも対応
参考:MOVERIO BT-300 技術FAQ
   https://tech.moverio.epson.com/ja/bt-300/faq.html
参考:Moverio BT-300 Unity Plugin
   https://www.assetstore.unity3d.com/jp/#!/content/83627

感想

エプソンから一般向けに販売されているHUD型ARデバイスです。
hololensやMeta 2と異なり、高度な空間マッピングやハンドジェスチャー操作を提供するものではありません。
イメージとしては以前流行したgoogle glassに近いです。

優れた点について

この機器の最大の特徴は一般向けに設定された手頃な価格設定です。
それでも透過型ディスプレイの性能は必要十分な性能を所有しており、GPSや一通りのセンサー群も保有しています。
Android内蔵型のスタンドアローン機であり、利用に周辺機器は不要です。
最近のスマートフォンをそのままメガネ型にしてみたイメージでしょうか。

開発者にとって

開発環境はAndroidOSのため、Android Studioが推奨開発環境となります。
公式QAによるとUnityにも対応しているそうです。
開発に関するドキュメントもインターネット上でそれなりに充実しており、比較的取っつき易そうな印象を受けます。
一方でアプリ配布にはEPSONが独自開発したストアを利用する必要があるなど、プラットフォームとしての流用性は低そうです。

スペックについて

気になる点としてはCPUとメモリのスペックが不十分に思えます。
開発環境としてUnityに対応しているとはいえ、3Dアプリを快適に動かすには制限が多そうです。
搭載カメラを使い、マーカーレスARによる疑似トラッキングやハンドジェスチャー認識ができれば面白そうなのですが…。
(特にハンドジェスチャー音声認識はほしい…折角のHUD型デバイスなのにコントローラ操作はナンセンス過ぎる)

評価について

3Dアプリ利用での性能上限ばかりは試してみないと分からないので、所持していない自分に正確な評価は下せません。
商品ページを見るに、やはりMRデバイスとしてよりも動画再生などの用途がメインに思えます。
動画視聴やARマーカーアプリ程度の利用用途に特化する場合は軽量コンパクトかつ安価な本機が最適でしょう。
デザインも良いです。将来完成されたARデバイスはこのくらいのコンパクトさが欲しいです。

ARとVRデバイスを色々調べてまとめる(Meta 2)

ARとVRデバイスを色々調べてまとめる AR枠その2 Meta 2 です。

スペック

本体スペック

OS外部PC接続
スピーカーニアイヤーオーディオスピーカーx4
接続ケーブルビデオ、データ、パワー用270cmケーブル(HDMIバージョン1.4b)
電源外部電源
重量420g(ケーブル,ヘッドストラップ除く)

外部PC要求スペック

CPUIntel Core i7 (desktop CPU)
GPUNVIDIA GTX 960 / AMD R9 280
メモリ8GB RAM
OSWindows 8or10 64bit

透過型ディスプレイ

アスペクト比16:9
解像度2560x1440
視野角左右90°

搭載センサ

慣性計測ユニット6軸慣性測定ユニット
センサーハンドセンサー
RGBカメラ720pフロントフェイスカメ
参考:Meta 2
   https://www.metavision.com/
参考:Meta 2|没入型AR体験ヘッドセット「メタ2」
   https://www.rakunew.com/items/73660
※ 予約受付段階のため、一部不確定。

価格

Meta 2 Augmented Reality Development Kit$949(約10万5000円)税別

長所/短所

長所

・透過型ディスプレイの広い視野角と高い解像度
・スペックに対して軽量な本体(電源はケーブルからのAC電源接続)

短所

・Meta 2とは別に外部PCが必要
・高額な価格設定(外部PCを新規購入した場合)

アプリ開発環境

・Unity 5.3x 以上
・Meta 2 SDK
参考:Meta 2
   https://www.metavision.com/
参考:アプリ開発者目線でHoloLensとMetaの違いを整理してみました
   http://magicbullet.hatenablog.jp/entry/ComparisonHoloLensAndMeta

感想

Meta社から開発者向けに購入予約が開始されたHUD型ARデバイスです。
出荷日は未定とのことで不確定な情報も多いですが、hololensの対抗機として注目されています。

優れた点について

この機器の最大の特徴と優れた点は透過型ディスプレイの性能の高さです。
hololensに比べて約2倍の視野角の広さ、解像度の高さが目を引きます。
GearVRに近い視野角なので高い没入感を得られるARデバイスとしての用途が期待できます。

スタンドアローン機でない利点と欠点

本機器はスタンドアローン機ではなく、ソフトウェアの動作に外部PCを必要とします。
外部PCの要求スペックもそれなりに高く、可搬性は低いと言えます。
外部PCを新規購入する場合、hololensと最終的な価格はあまり変わらないものと思われます。

しかし、外部PCを利用することにはメリットもあります。
ハイエンドな性能を要求するソフトウェアの動作が可能なこと、外部電源による連続稼働時間の制限が無くなることなどです。

外部PCが必要であることの個人的な懸念点はケーブルが利用者の移動を制限する点です。
Oculus Riftを利用しての感想ですが、HUD型デバイスにおけるケーブルの存在は想像以上にその利用を阻害してしまいます。

開発環境について

開発環境については不明な点が多いですが、開発者登録を行うとMeta 2 SDKが提供されるようです。
ソフト開発は本デバイスに特化した形となると考えられます。
Meta社のBlogで開発に関する情報が展開されているようですが、Meta 2向けの機能開発には情報収集に苦労しそうです。
一方で、Metaアプリケーションの開発環境はUnityとのことで、開発ツール自体の利用には苦労しないでしょう。

hololensの対抗機として

hololensの対抗機と目されていますが、全く住み分けの異なるデバイスと考えられます。
スタンドアローン機であるか否かという点で、そのメリットとデメリットが大きく異なるためです。
可搬性は犠牲にしても、没入感の高いアプリの連続稼働が必要な環境であればこちらのデバイスが優秀と考えられます。
AR系アトラクションの用途で活躍できそうです。

ARとVRデバイスを色々調べてまとめる(Hololens)

ARとVRデバイスを色々調べてまとめる AR枠その1 Hololens です。

スペック

本体スペック

CPUIntel 32 bit architecture
GPUCustom built Microsoft Holographic Processing Unit(HPU 1.0)
メモリ64GB Flash/2GB RAM
OSWindows 10
スピーカービルトイン・スピーカー
無線LANWi-Fi 802.11ac
BluetoothBluetooth 4.0 LE
バッテリー2~3時間連続稼働
最大待機時間2週間
充電しながらの動作も可能
放熱ファンなし
電源2.5A/5.2V
重量579g

透過型ディスプレイ

アスペクト比16:9
解像度1280×720
視野角左右40°程度
フレームレート60fps
(デバイスポータル*1でキャプチャ時は30fps)
ホログラフ配置可能距離0.5~5m
ホログラム配置最適距離1.25~5m/映画などは2mが最適距離

搭載センサ

慣性計測ユニット(IMU)1個(加速度、ジャイロ、方位を測定)
環境認識カメラ4個
depthセンサー1個(ジェスチャー用)
RGBカメラ2MP×1個
複合現実感キャプチャ1個
マイク4個(左右2個ずつ)
周辺光センサー1個
参考:MRとは? HoloLensのハードウェア/機能/アプリ動作/ユーザー操作
   http://www.buildinsider.net/small/hololens/001

価格

Development Edition33万3800 円税別
Commercial Suite55万5800 円税別
※ 日本向け販売価格

長所/短所

長所

・PC内蔵型のスタンドアローン機のため、単体動作可能
・開発環境が充実 Unity向けのライブラリやMicrosoftの開発チュートリアル
・充実した本体の搭載デバイス

短所

・高額な価格設定
・透過型ディスプレイの視野角の狭さ

アプリ開発環境

Visual Studio 2017 or Visual Studio 2015 Update 3
・HoloLens Emulator
・Unity 5.5 以上
参考:Install the tools
   https://developer.microsoft.com/en-us/windows/mixed-reality/install_the_tools

感想

本機はMicrosoft社から開発者または法人向けに販売されているHUD型ARデバイスです。
紹介するARデバイスでは筆者が唯一所有しているものとなります。

優れた点について

この機器の最大の特徴と優れた点はhololens単体での自己完結性の高さだと思います。
PC内蔵型のスタンドアローン機というだけでなく、様々なセンサや通信機器を内蔵しているため、ほとんどのやりたい事がhololensだけで完結します。
アプリ動作用の外部PCも、ジェスチャ認識や空間認識用のセンサも、音声認識用のマイクも、デバイス連携用のBluetoothのアダプタも追加は不要です。全てhololensに入っています。
身に着けるものであるからには、それ単体で持ち運び利用できなければ意味がないというMicrosoftの拘りを感じます。
値段は気にしないので、とにかく様々な用途で利用できる総合デバイスが欲しいという方はこれ一択です。
(むしろフル活用できるのであれば現状の33万でも十分に安い価格と思います)

開発者にとって

開発環境の充実も見逃せません。
チュートリアルプロジェクトまで公開されているので、Unityの知識があれば直ぐにアプリ開発が可能でしょう。
インターネットでの開発コミュニティが盛んで情報が簡単に得られます。日本語での情報が多いのはとても助かります。
アプリの流用性も非常に高いです。
hololens専用アプリではなく、Windows上でUWPアプリを動作する形なので後方互換や今後様々なデバイスへの展開も容易でしょう。

事実、サードパーティ社からARデバイスの販売が発表されており、アプリに互換があることが予想されています。
・HoloLensを初めとするMRデバイスが続々登場!発表済みのMRヘッドマウントディスプレイをまとめてご紹介
 http://vrinside.jp/news/mr-device-ofallnow/
ソフトの修正なしにハードを選択できることは開発者の負担を大きく減らしてくれると思います。

不満点について

個人的な不満点は透過型ディスプレイの視野角の狭さのみです。
映像に対する没入感がないため、仮想現実の世界を体験するようなアトラクション的な利用には向いていません。
その代わり解像度は高く、表示した文字などは問題なく読むことができます。現実世界をベースとしたAR的な用途に適しています。

最後に

ただ本機はやはり、全部乗せの試作機というイメージが強いです。
しばらく価格が下がることもないでしょうし、数年内にこの全部乗せのまま一般向けに販売されるとも思えません。
「5年後の未来、MRで何ができるのか」を今試しておきたいという開発者向けのデバイスです。

ARとVRデバイスを色々調べてまとめる

今回は技術調査枠です。

今更の話ながらhololensだけがMRデバイスの全てではありません。
また、MRデバイスだけでなく、VRデバイスもまた現在注目されるデバイスです。

本記事では注目される色々なMR/VRデバイスについて調べたことをまとめていこうと思います。
大きく分けて以下の3篇です。デバイス毎に順次記事を追加していきます。

ARとVRデバイスを色々調べてまとめる(AR編)

ARとVRデバイスを色々調べてまとめる(周辺機器)

VIVE トラッカー

bluebirdofoz.hatenablog.com

Mirage Camera

bluebirdofoz.hatenablog.com


周辺機器はHUDに拘らず、MR/VRで使えそうと感じたデバイスをまとめます。
記事ではMRデバイスをARデバイスとしてまとめて扱います。

hololensで画面UIで操作を行う

前回記事の続きとなります。追加した表示UIのボタンにイベントの設定を行います。
・hololensで画面UIを表示する
 http://bluebirdofoz.hatenablog.com/entry/2017/04/28/021154

やはりUIの表示だけでなく、ボタン操作のINPUTの仕組みも確認しておきたいということです。
まずUnityのButtonオブジェクトに関する勉強になります。以下の記事を参考にしました。
・【uGUI】Buttonの使い方
 http://qiita.com/2dgames_jp/items/b3d7d204895d67742d0c

丁寧な記事です。Buttonオブジェクトに関する様々な情報があります。
折角なので色変更などの設定も行ってみます。
Navigationの設定についてはhololensで使う場合「none」でいいでしょう。
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ついでにテキストも変更します。
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最後にイベントの設定です。
ユニティちゃんオブジェクトを指定して現在、ゲーム開始時に呼ばれているOnSelect関数を設定します。
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アプリをビルドして試してみます。
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ボタンに視点を合わせてエアタップ動作を行うと…。
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ボタンが赤に変わり、ゲームが開始しました。成功です。


随分とあっさりと成功してしまいました。
しかし、この裏にはUnityのEventSystemの自動設定とhololens Input Moduleの設定がありました。
仕組みが分からないままでは意味がないので少し調べてみます。
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そもそもCanvasオブジェクトを作成した際に自動生成されたEventSystemオブジェクトとは何なのでしょう。
・UnityのEventSystemを操る
 http://chungames.hateblo.jp/entry/2015/11/21/234241
・Unity 4.6 から利用できる UI での EventSystem をカスタムする方法について調べてみた
 http://tips.hecomi.com/entry/2014/09/25/233823
・イベントシステム
 https://docs.unity3d.com/jp/540/Manual/EventSystem.html

順に読めば何となく理解できるかも?
EventSystemオブジェクトは Unity 4.6 から導入されたシステムで uGUI を利用する際は必ず追加されるオブジェクトです。
EventSystemにデフォルトで導入されたscriptはそれぞれ下記の役割を持ちます。

  • Event System:どの Input Module が現在有効なのか、どのゲームオブジェクトが現在選択されているかを管理する。

 ・Event System マネージャー
  https://docs.unity3d.com/ja/540/Manual/script-EventSystem.html

  • Standalone Input Module:コントローラー/マウスの入力を管理する

 ・Standalone Input Module
  https://docs.unity3d.com/ja/540/Manual/script-StandaloneInputModule.html

これらのEventSystemとCanvasオブジェクトがどういった関係で結ばれているかというとRaycasterと呼ばれる仕組みです。
例えばCanvasオブジェクトを生成すると、必ずGraphic Raycasterコンポーネントが追加されています。
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EventSystemは検知した操作についてRaycastという通知を行います。
そしてCanvasオブジェクトはこのRaycasterを通じてそのRaycast通知を受け取ります。
これによって、GUIにコライダ(アタリ判定)を付けなくてもマウス操作などが可能になる訳です。なーる。

前回、EventSystemにHoloLens Input Moduleを追加したのは視線操作とエアタップ操作によるRaycast通知を追加した訳ですね。
表示UIとそれに対する操作はここで閉じている訳です。賢い。
MVP設計に落とし込む際にはGUI操作関連の処理は一纏めにViewと考えた方が良いのかな。