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HoloLens特化のホロ恋子モデルを作成する その8(顔のモデリング 輪郭編)

本日はホロ恋子モデル2の作成枠です。
準備が整ったのでモデリングを開始します。最初は顔のモデリングです。
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下絵の透明度の調整

今回は下絵を基準に頂点位置を一つ一つ合わせていく手順を実施します。
下絵とメッシュが見辛い場合は「下絵」タブの「前後」配置や「不透明度」を調整します。
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正面からの輪郭作成

まずは正面からの輪郭を形どっていきます。
輪郭を作る頂点を増やすため、ループカット([Ctrl+R]キー)を使って平面メッシュを縦に分割します。
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上下の頂点を下絵に合わせて、移動([G]]キー)で位置を調整します。
位置合わせには左下の真正面視点の[3Dビュー]を利用します。
この時点では髪の部分は考慮せず、顔の肌部分を考慮したメッシュ形状を作り込みます。
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端の余った部分は削除([DEL]]キー)で削除して正面からの輪郭は作成完了です。
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横からの輪郭作成

次に横方向からの輪郭を形どります。
頂点の選択には正面視点の[3Dビュー]を利用し、頂点の移動には右下の真横視点の[3Dビュー]を利用します。
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頂点位置を合わせたとき、上下の頂点が同じ奥行位置(Y座標)にあるのが理想です
髪に隠れた額の部分の高さも考慮して合わせます。
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輪郭の作り込み

輪郭の形を作ったら、横方向のループカット([Ctrl+R]キー)を行います。
ここでは頂点数をむやみに増やさず、鼻や口といった特徴的な点を捉えられるカット数に抑えます。
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正面顔と横顔を見比べて、眉・目・鼻・口等の特徴的な点を抑えるように頂点位置を合わせていきます。
顔は平面に近いため、真横視点は顔の中央ラインに近いほど、頂点を近づける必要があります。

額など特徴点がない場所は真上視点を見て、なだらかな曲線を描くよう頂点を移動します。
頬も同様に、上から見たときに膨らみを持たせることが大切です。
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少し視点を動かしてみて、斜め視点からの立体感も確認しましょう。
下絵がしっかりしていれば頂点位置を合わせただけでも、顔全体の立体感が感じられるメッシュの流れができあがります。
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形が出来上がったら頂点結合([Alt+M]キー)を使って不要な頂点を結合してメッシュを整えていきます。
最終的に以下のような形になりました。
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ハイポリゴンのモデルを目指す人は……

目や口の顔パーツはこの後作り込みを行います。
それでもこの例はかなりローポリゴン寄りですので、ディテールに凝る方はループカットの数を増やしても良いでしょう。

例えば前回のホロ恋子モデルは全体でポリゴン数 8,200 のモデルとなり、そのときの顔のメッシュは以下のようになっています。
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1万ポリゴンのモデルを目指す際の各パーツのポリゴン数の目安を以下の記事で調べています。
気になる方は合わせて読んでみてください。
bluebirdofoz.hatenablog.com

今回は前回モデルよりもローポリゴンのモデル作成が目的のため、最終的には無駄な頂点を更に削ることになります。
しかし、まずは基本的なモデリングの手順を解説するためにも、ポリゴンの削減は後に回します。

次は曲面を綺麗に見せる「スムーズ表示」と「細分割曲面」です。
bluebirdofoz.hatenablog.com

HoloLens特化のホロ恋子モデルを作成する その7(モデリングで使用する6つの操作)

本日はホロ恋子モデル2の作成枠です。
顔のモデリングを開始するにあたり、モデリングで利用する操作についてまとめておきます。
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最低限これだけ覚えておけば何でも作れるという操作をピックアップしました。
ここでピックアップした操作は今後何度も利用します。

勿論Blednderには他にもモデリングで役立つ多くの機能があります。
それらは順次、必要となった時点で言及します。

モデリングで使用する6つの操作

頂点/辺/面を生成または削除する6つの操作をまとめます。
これらの操作はメッシュに対する操作のため、[編集モード]でのみ利用可能です。
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押し出し([E]キー)

選択中の頂点/辺/面を押し出します。
移動と異なり、選択物は元の位置に残るので、新たに頂点/辺/面を生成する形になります。
対象を選択して[E]キーで利用します。
追加で[X]/[Y]/[Z]キーを押すことで特定の軸方向に押し出すこともできます。
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利用時の注意点として、押し出しは頂点の生成が[E]キーを押した時点で確定します。
右クリックで移動をキャンセルしても、頂点は増えたままなので元に戻したい場合は[Ctrl+Z]を使う必要があります。
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面張り([F]キー)

任意の頂点を選択し、それらを繋ぐように面を作ります。
3つ以上の頂点を選択すると面を張り、2つの頂点を選択していると辺を繋ぎます。
対象を選択して[F]キーで利用します。
押し出し([E]キー)で頂点を生成し、後から頂点を繋ぐように面を張るといった使い方ができます。
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ループカット([Ctrl+R]キー)

任意の立体物をカットするように頂点と辺を生成する機能です。
本機能は四角形以上の面にしか利用できませんが、単なる面だけでなく立体物そのものをカットすることも可能です。
[Ctrl+R]キーを押し、カットしたい辺にカーソルを合わせて利用します。
対象の形を作り込むため、頂点数を増やしたい場合などに頻用します。
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マウススクロールでカット数を増やしたり、確定後にマウス移動する事でカット位置を変更することができます。
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ナイフ([K]キー)

こちらも任意の立体物をカットするように頂点と辺を生成する機能です。
ループカットと異なり、こちらは頂点と頂点を繋ぐように辺を生成することも可能です。
[K]キーを押し、カットしたい辺または頂点を選択して利用します。
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また、面の任意の箇所に頂点を打ち込むことも可能です。
利用の自由度がかなり高いのでループカットと上手く使い分けます。
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削除/溶解([DEL]キー)

選択中の頂点/辺/面を削除します。
対象を選択して[DEL]キーで利用します。
削除には大きく分けて削除と溶解の2種類の選択肢があります。
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削除は選択中の頂点/辺/面を単純に削除します。
例えば、四角形の一頂点を削除すると、四角形の面も消えてしまいます。
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溶解は選択中の頂点/辺/面を削除し、残った部分の形状は維持します。
例えば、四角形の一頂点を削除すると、残った三角形が接続されて面が維持されます。
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頂点結合([Alt+M]キー)

選択中の頂点を1つの頂点に結合します。
2つ以上の頂点を選択して[Alt+M]キーで利用します。
結合する頂点の位置は選択肢から選べます。
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例えば「中心に」を選択すると選択した頂点の中心位置で結合されます。
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以上の6つの操作は今後の記事中でも頻出します。

準備が整ったので次は顔のモデリングに着手します。
bluebirdofoz.hatenablog.com

HoloLens特化のホロ恋子モデルを作成する その6(頭部三面図の作成と顔の描き方)

本日はホロ恋子モデル2の作成枠です。
顔のモデリングを行うために利用する三面図を作成しました。
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※ 2018/12/12 その13での三面図更新に合わせて三面図を最新のものに差し替え。

今回のホロ恋子のモデルはローポリゴンモデルとする予定なので、実際には全身図の三面図で顔を作り込んでも十分です。
ただ、それなりのハイポリゴンでモデルを作成する場合は顔のみ高解像度の三面図も用意した方が作りやすいです。

顔パーツの比率

身体同様に、頭部についても理想的な比率や形状があります。
顔は絵柄によって大きく変わるため、身体ほど厳密ではありませんが、一般的に目安となるポイントを抜粋します。

目と目の間の幅は目の横幅と同じ

目と目の間の幅が目の横幅より長くなると、目が離れているような印象になります。
また目の横幅は縦幅と異なり、キャラクタや表情によってあまり変化しません。
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鼻先は目の上部と顎の丁度真ん中

ホロ恋子はジト目なので少々分かり辛いですが、まず眼球をイメージします。
鼻先の位置はその眼球の上部と顎の真ん中になります。
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目を描く時は眼球をイメージする

ホロ恋子のようなジト目を描く場合でも必ず眼球の球体をイメージして線を引きます。
ジト目の場合、眼球の真ん中で目が細くなるのではなく、上瞼が落ちることで目が細くなります。
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横顔は頭部の球体から顔パーツが垂れ下がるイメージ

横顔全体で大きな一つの球体をイメージして描くのは誤りです。
後頭部と前頭部をまとめた一つの球体があり、その前部分に顔パーツが垂れ下がっているイメージで全体の形を整えます。
球体と顔パーツの長さは凡そ3:2の比率になります。顔パーツを短くするほど、幼いイメージの顔に近づきます。
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綺麗な横顔を目指すならエステティックラインを意識する

エステティックラインとは鼻の先端と顎の先端を結んだラインのことです。
上下の唇がエステティックラインに触れず、少し後ろにあるのが美と定義されています(by Wikipedia)。
絵においても例外ではなく、このラインが綺麗なキャラクターは整った顔立ちに見えます。
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横顔の顔パーツは平面を意識する

3Dモデリングの下絵として横顔を利用する場合、顔の平面をより意識して詰める必要があります。
例えば今回の下絵でも、口の奥行は小さく、横髪は目が隠れるほど正面に寄せています。
一般的な漫画やアニメでは見栄えのため、口を奥に延ばしたり、横髪が目にかからないようにしますが、3Dモデリングの下絵でこれをやると破綻します。
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特に横髪は前寄りにしておくと、斜めから見たカットにボリュームが出て見栄えが良くなります。
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次はBlederのモデリングで使用する6つの操作です。
bluebirdofoz.hatenablog.com

HoloLens特化のホロ恋子モデルを作成する その5(ミラーモディファイアとオブジェクトの原点)

本日はホロ恋子モデル2の作成枠です。
今回は左右対称なモデリングを行うためのミラーモディファイアの設定です。
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人型キャラクタのモデリングを行う際は、ほとんどの部分が左右対称となります。
ミラーモディファイアという機能を利用するとモデリングがミラーされ、例えば右側のモデリングを行えば左側も同じように生成されます。
頂点の編集だけでなく、クリースやシャープなど様々な設定も自動でミラーしてくれます。

視点位置の操作

今回は顔の部分を中心に作業を行うため、視点位置を操作して顔をズームします。
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視点は[3Dビュー]上で、以下のようにマウスのホイール操作を行うことで操作できます。
・ホイールクリック+マウス操作:視点の移動
・ホイールクリック+Shift+マウス操作:視点の平行移動
・ホイールのスクロール:ズームイン/アウト

視点を操作して、顔の部分が見易い位置に調整します。
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頂点位置の移動

X軸でミラーを行うため、まずは正面から見て右側にメッシュを寄せます。
Plane オブジェクトの[編集モード]で、メッシュが選択状態であることを確認します。
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正面から見て左側の頂点位置を調整します。
Blenderでは頂点の選択は[右クリック]で行います。[Shiftキー]を押しながら選択することで複数選択も可能です。
左側の2つの頂点を[Shiftキー]を押しながら[右クリック]して選択状態にします。
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基本操作の移動を使って頂点を右側に寄せます。
選択状態で[Gキー]->[Xキー]を押し、マウス操作で頂点を右側に移動します。
[左クリック]で確定です。
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頂点を右側に寄せたら一旦編集は完了です。[オブジェクトモード]に戻します。
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ミラーモディファイアの設定

プロパティウィンドウにある[モディファイア]タブを開きます。
[追加]のプルダウンを開き、[ミラー]モディファイアを選択します。
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これでオブジェクトにミラーモディファイアが設定されました。
メッシュをみると、X軸で左右対称にメッシュが生成されていることが分かります。
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オブジェクトの原点

少し補足です。ミラーモディファイアを利用する際には「オブジェクトの原点」に気を付ける必要があります。
ミラーモディファイアを適用したとき、以下のように中央でミラーされないということが発生することがあります。
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これはミラーモディファイアが「全体の原点(X:0,Y:0,Z:0)」ではなく「オブジェクトの原点」を中心にミラーするためです。
例えば、先ほどの例では[Plane]オブジェクトの[トランスフォーム位置]が[X:0.12,Y:0,Z:1.5]の位置に移動しています。
このため、X:0.12 の座標を中心にミラーが行われたということです。
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[オブジェクトの原点]の移動は[オブジェクトモード]でオブジェクトを移動した際に発生します。
これまでメッシュや頂点を編集する際、[編集モード]であることを何度も確認したのはこのためです。
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[編集モード]は「オブジェクトの原点」は移動せず、オブジェクト内になるメッシュや頂点の位置のみが移動します。
先ほどの成功例では、全て[編集モード]でメッシュの操作を行いました。
このため、[Plane]オブジェクトの[トランスフォーム位置]が[X:0,Y:0,Z:0]の位置であることが分かります。
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このため、成功例では[X:0,Y:0,Z:0]の原点を中心にミラーが行われています。
ミラーモディファイアを利用する際は、この「オブジェクトの原点」の位置を意識するとより活用できます。

ミラーモディファイアのクリッピング

最後に、ミラーモディファイアのクリッピングを利用しておきます。
これは例えばX軸のミラーを行っている場合、[X:0]の座標に移動した頂点は[X:0]の位置に留まり続けるというものです。
ミラーモディファイアの[オブション]から[クリッピング]をチェックすることで有効化できます。
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クリッピングを有効化しておけば、マウス操作でも[X:0]の位置に動かした頂点のX軸移動がズレないため、中央部分に隙間が空くといったことが起こらなくなります。
勿論、頂点の移動は[編集モード]で行います。
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次は顔の描き方についてです。
bluebirdofoz.hatenablog.com

HoloLens特化のホロ恋子モデルを作成する その4(基礎オブジェクトの作成と3つの基本操作)

本日はホロ恋子モデル2の作成枠です。
今回はキャラクターをモデリングするための基礎オブジェクトを作成します。
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※ 今回はしっかりとした下絵があるので、顔を初めとしてキャラの上部から徐々に作り込んでいく手法を取ります。
  ただしモデリングの手法には様々な手法があります。
  立体物を変形させて大まかな全体像から作成していく手順やBlenderのモディファイアやアドオンを利用するのも良いと思います。

基礎オブジェクトの作成

ではまず顔を作り込むための基礎オブジェクトを作成します。
3Dビューのメニューから 追加 -> メッシュ -> 平面 を選択します。
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すると[Plane]という平面メッシュが生成されます。
[Plane]オブジェクトを選択した状態でモードアイコンをクリックし、[編集モード]に切り替えます。
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[編集モード]に切り替わったら、平面メッシュを編集できる状態になります。
メッシュが選択されていればオレンジ色の選択状態に変化します。
選択されていない場合は[Aキー(全選択)]でメッシュを選択します。
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ここでまずは Blender で利用する以下の3つの基本操作を覚えます。

移動

メッシュまたは任意の頂点を選択した状態で[Gキー]で移動操作が可能です。
デフォルトではカメラ視点を基準に移動が行われます。[G]は Grab(掴む) の略称と覚えます。
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[Gキー]の後、以下のキーを入力することで移動に関する追加指定が可能です。
・[Xキー]または[Yキー]または[Zキー]:任意の軸方向を基準とする
・[0~9の数値キー]:移動量を指定する

例えば、[Gキー] -> [Zキー] -> [5キー] の順にキー押下すると、メッシュがZ軸方向に +5 の位置に移動します。
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回転

メッシュまたは任意の頂点を選択した状態で[Rキー]で回転操作が可能です。
デフォルトではカメラ視点を基準に回転が行われます。[R]は Rotate(回す) の略称と覚えます。
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[Rキー]の後、以下のキーを入力することで回転に関する追加指定が可能です。
・[Xキー]または[Yキー]または[Zキー]:任意の軸方向を基準とする
・[0~9の数値キー]:回転量を指定する

例えば、[Rキー] -> [Zキー] -> [4キー] -> [5キー] の順にキー押下すると、メッシュがZ軸を基準に +45 度を回転します。
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拡大縮小

メッシュまたは任意の頂点を選択した状態で[Sキー]で拡大縮小操作が可能です。
デフォルトではカメラ視点を基準に拡大縮小が行われます。[S]は Scale(スケール) の略称と覚えます。
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[Sキー]の後、以下のキーを入力することで拡大縮小に関する追加指定が可能です。
・[Xキー]または[Yキー]または[Zキー]:任意の軸方向を基準とする
・[0~9の数値キー]:拡大縮小量を指定する

例えば、[Sキー] -> [Xキー] -> [0キー] -> [.キー] -> [5キー] の順にキー押下すると、メッシュがX軸を方向に半分の大きさになります。
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メッシュの編集

ではこれらの機能を利用して平面メッシュを下絵の顔部分に合わせます。
改めて、Plane オブジェクトの[編集モード]で、メッシュが選択状態であることを確認します。
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まずは平面メッシュを回転して、向きを合わせます。
この状態で [Rキー] -> [Xキー] -> [9キー] -> [0キー] -> [Enterキー(確定)] の順にキー押下を押下します。
以下のように平面メッシュが垂直方向に立ちます。
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次に平面メッシュを拡大縮小して、大きさを合わせます。
[Sキー] -> [0キー] -> [.キー] -> [1キー] -> [Enterキー(確定)] の順にキー押下を押下します。
以下のように平面メッシュが10分の1の大きさになり、凡そ顔の大きさと同じになります。
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最後に平面メッシュを移動して、位置を合わせます。
[Gキー] -> [Zキー] -> [1キー] -> [.キー] -> [5キー] -> [Enterキー(確定)] の順にキー押下を押下します。
以下のように平面メッシュが 1.5 メートル上に移動し、顔部分に重なりました。
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次回は左右対称なモデリングの設定を行います。
bluebirdofoz.hatenablog.com

HoloLens特化のホロ恋子モデルを作成する その3(スケールの調整)

本日はホロ恋子モデル2の作成枠です。
Blender プロジェクトの初期設定のついでに作成モデルのスケールの調整を行います。
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Bleder では座標値の単位は通常メートル単位で扱われます。
VRChat でモデルを利用する場合など Unity と連携する場合はこのメートル単位が適用されます。

デフォルトの Cube オブジェクトで確認してみます。
Cube オブジェクトは寸法を確認すると X:2 Y:2 Z:2 のサイズであることが分かります。
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これを Unity に取り込み、ユニティちゃんモデルと比較したのが以下になります。
ユニティちゃんの身長を 1.5 メートル程として、Cube オブジェクトが 2 メートルの立方体のスケール感となることが分かります。
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これに基づいてスケールの調整を行います。
前回のプロジェクトの続きです。デフォルトで配置されている Cube オブジェクトを指標に利用します。
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今回のホロ恋子モデルは 1.6 メートルほどの身長に設定します。
Cube オブジェクトを選択した状態で[寸法]の値を[X:0.5 Y:0.5 Z:1.6]に設定します。
そのままだと地面にめり込んだ状態なので、合わせて[位置]の値を[X:0 Y:0 Z:0.8]に設定します。
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これで Cube オブジェクトは幅 50 センチメートル、高さ 1.6 メートルの立方体になりました。
このオブジェクトに合わせて下絵のサイズを再調整します。下絵の描写を[前]に変更して合わせます。
調整した結果、その1で紹介した下絵を利用する場合、以下の位置に調整すると良い位置に収まりました。

・正面図
 - 水平方向のオフセット:0.5935
 - 垂直方向のオフセット:0.965
 - 回転角度:0
 - サイズ:2.75
・横図
 - 水平方向のオフセット:-0.26
 - 垂直方向のオフセット:0.965
 - 回転角度:0
 - サイズ:2.75

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もう Cube オブジェクトは不要なので、オブジェクトを右クリックして[削除]しておきます。
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これで Blender プロジェクトの初期設定は完了です。
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次回は基礎オブジェクトの作成と3つの基本操作です。
bluebirdofoz.hatenablog.com

HoloLens特化のホロ恋子モデルを作成する その2(Blenderプロジェクトの初期設定)

本日はホロ恋子モデル2の作成枠です。
本日は Blender プロジェクトのお薦めの初期設定についてまとめます。
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利用するBlenderのバージョンは 2.79 です。日本語設定を行っています。
言語設定に関する手順は以下の記事でまとめています。
bluebirdofoz.hatenablog.com

前提として三面図を利用する場合、Blender では平行投影の視点でモデリングを行うことになります。

平行投影と透視投影

一言でいってしまえばレンズの歪みがあるかないかです。

平行投影は遥か遠方からズームして被写体を捉えたような視界になります。
以下はキャラクタの正面にカメラを置き、平行投影でレンダリングを行った例です。
頭部と両足が地面に平行に描画されていることが分かります。
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透視投影はカメラ位置から被写体全体を捉えたような視点になります。
以下はキャラクタの正面にカメラを置き、透視投影でレンダリングを行った例です。
頭部と両足が大きく歪んで描画されていることが分かります。
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平行投影は形状の正確な比較がし易く、透視投影は物体の立体感が分かりやすいという利点があります。
モデリング時に透視投影を用いると、物体の正確な形状が把握できず、歪みになることがあります。

Blenderのお薦めの初期設定

Blender を起動し、初期プロジェクトを開きます。
3Dビューの右上にある「摘み」を左向きにドラッグします。
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すると以下のように3Dビューが2分割されます。
同じ要領でそれぞれの3Dビューを次は下向きにドラッグします。
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3Dビューが4分割されました。
このままでは3Dビューは「透視投影」のままです。「平行投影」に切り替えます。
まずは左上の3Dビューを右クリックして選択し、テンキーの「5キー」を押します。
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すると3Dビュー左上の表記が「ユーザー・平行投影」に変わります。
これで左上の3Dビューは平行投影になりました。続けてテンキーの「7キー」を押します。
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視点位置が変わり、真上からの視点になります。
同じ要領で、左下の3Dビューを選択してテンキーの「5キー」→「1キー」を押します。
右下の3Dビューを選択してテンキーの「5キー」→「3キー」を押します。
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これで3つの画面がそれぞれ「真上(Z軸方向)からの視点」「真正面(Y軸方向)からの視点」「真横(X軸方向)からの視点」になります。
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後はこの状態でそれぞれの視点に三面図を下絵として表示します。
下絵が表示されない場合は「平行投影」の設定になっているか確認してください。
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「真正面(Y軸方向)からの視点」には正面の三面図を。
「真横(X軸方向)からの視点」には横の三面図を調整します。
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画面構成にこの形を利用すると、常に三方向からモデルを確認できるため、予期しない位置に頂点を設定してしまうことがありません。
是非利用してみてください。

次回はスケールの調整です。
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