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ARとVRデバイスを色々調べてまとめる(Oculus Rift CV1)

ARとVRデバイスを色々調べてまとめる VR枠その1 Oculus Rift CV1 です。

スペック

本体スペック

OS外部PC接続
スピーカー専用ヘッドホン
電源USB給電
重量440g(ヘッドバンド含む)

外部PC要求スペック

CPUIntel i5-4590同等以上
GPUNVIDIA GTX 970/AMD R9 290同等以上
メモリ8GB以上のRAM
OSWindows 7 SP1 64ビット以降

ディスプレイ

視野角約110度
解像度(全体)2160×1200
解像度(片目)1080×1200
リフレッシュレート90fps

搭載センサ

センサジャイロセンサー/加速度センサー/地磁気センサー
ラッキングカメラ赤外線センサ(1~3個)
ルームスケールサイズ8.2ft(約2.5m)四方
(センサー3台時)
参考:Oculus Rift
   https://www.oculus.com/rift/
参考:いま買うべきVR機器は?
   http://japanese.engadget.com/2016/09/20/vr-playstation-vr-oculus-rift-htc-vive-vr/
参考:HTC ViveとOculus Rift CV1&Touchを徹底比較
   http://blog.livedoor.jp/wisteriear/archives/1063074467.html
参考:徹底検証!VIVEとOculus Touchのトラッキング機能にはどんな差があるのか?
   http://vrinside.jp/news/vive-vs-oculus-rift-touch-roomscale/
参考:Oculus Rift スペック情報
   http://vrinside.jp/vr/oculus-rift/

価格

OculusRiftCV1(専用コントローラ含まず)$499(約6万4000円)税別
OculusRiftCV1(専用コントローラ(OculusTouch)含み)$599(約7万7000円)税別

長所/短所

長所

・広い視野角と高い解像度による没入感の高さ
・専用コントローラ(OculusTouch)の動作没入感の高さ
・ハイエンドVRとしては低めの価格設定

短所

・HTCviveと比較した際のルームスケールの狭さ
・専用コンテンツの少なさ
・起動にはOculus Riftとは別に外部PCが必要

アプリ開発環境

・RIFT PC SDK
・Unity/Unreal Engine 4など
参考:Oculus Rift開発者用のSDK1.3がリリース
   http://www.moguravr.com/oculusrift-sdk13/

感想

Oculus社から一般向けに販売されているHUD型VRデバイスです。
本デバイスは筆者が所有しているものとなります。

優れた点について

本機の優れた点はハイエンドVRデバイスとしては最高レベルの広い視野角と高い解像度です。
現状、最高品質の仮想空間への没入感を提供してくれます。
対抗機として注目されるHTC viveと同じ視野角と解像度ですが、レンズの違いかOculusの方が映像が鮮明という意見が多いです。
(VRは広い視野角を実現するための魚眼レンズ部により、一般的に中央部の方が画素の密度が高くなるよう調整されています)

専用コントローラ(Oculus Touch)について

これは私個人の使用しての感想です。
対抗機のHTC viveと比較した際、Oculusの最大の優位点は専用コントローラ(OculusTouch)の優れたデザインです。
グリップ型のコントローラは構成がとても優れており、ハンドトラッキングについても高い没入感を提供してくれます。
物を掴む、手を開いて離す、触れる、何かを指さす、などの動作が自然に行えます。

Oculus以外のデバイスにもコントローラとして利用したいほどに優秀です。
Oculus Riftを購入する際は必ず専用コントローラも同時購入することを進めます。
後述しますが、逆に言うと、現状Oculusの優位点はこのコントローラを除けば価格くらいです。
しかし、他の欠点を補って余るほどに素晴らしいコントローラです。

HTC viveと比較した際の欠点

Oculus Riftは優秀なデバイスですが、対抗機にHTC viveが存在し、ハイエンドVRとして非常に近いコンセプトを持っています。
そして両機を比較した際に、Oculus Riftの欠点が見えてきます。

大きな欠点として、指定の領域を仮想空間として歩きまわるルームスケール機能の弱さがあります。
HTC viveが11.5ft(約3.5m)四方のルームスケール機能を提供しているのに対し、Oculusは追加のセンサを購入しても8.2ft(約2.5m)四方程度となります。
更に追加センサを購入しない場合、360度トラッキングができないため、回転動作を行うと背後を向いた際にコントローラのトラッキングが切れるなどの問題が発生します。

HTC viveとのトラッキング手法の違い

何故、同じハイエンドVRにも拘らず、Oculus Riftはトラッキング性能で劣るかについてです。
これはOculus RiftとHTC viveではトラッキング手法が根本から違っていることに原因があります。

端的に言うと下記の違いがあります。

Oculus Rift

 HMD本体が照射する赤外線を設置センサが受信して位置情報を算出する。

HTC vive

 設置センサが照射する赤外線をHMD本体が受信して位置情報を算出する。

つまりトラッキングのアプローチが全く逆です。
このため、Oculus RiftHMD本体がHTC viveに比べて軽い代わりに、ビーコンが障害物に隠れる背後のトラッキングができない。
また、一つのセンサで複数台のHMD本体の追跡を行えないという問題を抱えています。

Oculus社も追加のセンサを販売し、ソフトアップデートで複数センサによるトラッキングを可能にするなど対応を行っていますが、ハードウェアの構造は変えられません。
このトラッキング手法の違いが、今後、Oculus RiftとHTC viveの命運を分ける要因となりそうです。