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hololensでMMDモデルにダンスを踊ってもらうのに適切なポリゴン数は?

前回記事の続きです。前回、ポリゴン数の増減がダンスのfpsに大きく影響していることが分かりました。
bluebirdofoz.hatenablog.com

次に気になるのは「じゃあダンスを踊ってもらうMMDモデルで適切なポリゴン数はいくつなの?」ってことです。

比較のため、以下の4種類のモデルを用意しました。

1.2万ポリゴン、剛体モーションありのモデル
2.1万ポリゴン、剛体モーションありのモデル
3.5千ポリゴン、剛体モーションありのモデル
4.2千ポリゴン、剛体モーションありのモデル

前回同様、ポリゴン数の削減についてはなるべく他の要素は等価になるよう、BlenderのDecimateモディファイアを利用しています。
シェーダについてはmmd_tools利用時デフォルトのStandardのシェーダを利用しています。
背景オブジェクト等は一切なしで、カメラとライトを準備し、取り込んだモデルにダンスを踊ってもらいます。

それぞれのモデルをhololens上で躍らせた結果、以下の通りとなりました。

1.2万ポリゴン、剛体モーションありのモデル
f:id:bluebirdofoz:20170717172918j:plain
15fps以下のまま(おそらく10fps以下)。かなりカクカク。
ただ動きの繋がりは分かるのでゲームモーションなど、動きそのもので魅せる訳でなければそれほど気になりません。

2.1万ポリゴン、剛体モーションありのモデル
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10fps~15fps辺り。2万ポリゴンよりマシだがやはり気になる。

3.5千ポリゴン、剛体モーションありのモデル
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10fps~20fps辺り。それなりに見れる印象。この辺りがギリギリラインかな。

4.2千ポリゴン、剛体モーションなしのモデル
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20~30fps辺り。快適と言っていいと思います。背景が普通に見えるからか、VRほど高fpsなくても脳が補正してくれるのかも。


結論としては、キャラクタに激しいモーションをさせる場合、2千ポリゴンが適正かなという考えに至りました。
プロジェクトには更に背景オブジェクトなども加わることを考えると5千ポリゴンはそれだけで一杯一杯になりそうです。
ただ、シェーダによってはもう少し改善も可能かもしれません。

これはhololensを使う一人のユーザとしては残念なことです。
どうやらまだまだMMDの世界をそのままに現実世界に呼び込むのは難しそうです。(飛び込むならハイエンドVRで実現できますが)

一方で、holoelnsの開発者としては朗報と言えます。
hololensアプリの3Dアプリは、インターネット上に溢れるMMDの高精細な3Dモデルと同じ土俵で戦うことにはならないということです。(ひとまず現状は……)

以前より、オリジナルキャラクタをhololensに登場させることを目標と掲げていましたが。
内心、MMDの3Dモデルと比較すると見劣りするのが分かり切っていることに頭を悩ませていました。
しかしhololensにおいては、3Dモデルをhololens向けに自作すると言う発想は計らずもアリな考えだった訳です。
bluebirdofoz.hatenablog.com

今後も継続して、blenderでの3Dモデル作成学習に力を入れていきます。


追記。
シェーダによる改善の可能性の有無だけは確認しておこうと、シェーダを差し替えたテストを実施しました。

5.2万ポリゴン、剛体モーションありのモデル(Unlit/Texture)

最も低コストであるはずのUnlit/Textureシェーダを利用しました。要はテクスチャをそのまま描画。
・Unityシェーダのパフォーマンス
 http://www.mikame.net/sample/unity_documentation/Components/shader-Performance.html

結果は。

5.2万ポリゴン、剛体モーションありのモデル(Unlit/Texture)
f:id:bluebirdofoz:20170717181804j:plain
15fps以下のまま(おそらく10fps以下)。という訳でStanderdシェーダとあまり変化なしでした。
シェーダの改造で詰めていくのは難しそうです。


最後に一点、ポリゴン数を削減したMMDモデルはより取り扱いに注意が必要です
モデルによってはボーンや衣装の変更を認めていても、ポリゴン数削減等の改造を禁止しているものがあります。
本記事でもポリゴン数を削減したモデルの実動作について、キャプチャを控えています。
人が描いた絵を解像度下げて使うようなものですので。