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ARとVRデバイスを色々調べてまとめる(Acer Windows Mixed Reality Headset)

ARとVRデバイスを色々調べてまとめる VR枠その4 Acer Windows Mixed Reality Headset です。
bluebirdofoz.hatenablog.com

Acer Windows Mixed Reality Headset

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www.acer.com

スペック

本体スペック

OS外部PC接続
スピーカー3.5mmイヤフォンジャック
電源USB給電
重量410g

外部PC要求スペック(Mixed Reality Ready)

CPUIntel Core i5 (第7世代) CPU, 2コア
Hyper-Threading Technology 対応
GPUIntel HD Graphics 620以上のDX12対応GPU
メモリ8GB DDR3 Dual Channel
HDD10GBの空き
OSWindows 10(RS3)Fall Creators Update

外部PC要求スペック(Mixed Reality Ultra)

CPUIntel Core i5 (第4世代) CPU 4コア以上
AMD FX-4350 4.2Ghz 4コア以上
GPUNVidia GTX 965M / AMD RX 460以上のDX12対応GPU
メモリ8GB DDR3
HDD10GBの空き
OSWindows 10(RS3)Fall Creators Update

ディスプレイ

HMDパネル液晶パネル
視野角約95度
解像度(全体)2880×1440
解像度(片目)1440×1440
リフレッシュレート(Ready環境)60fps
リフレッシュレート(Ultra環境)90fps

搭載センサ

ラッキングセンサジャイロスコープ/加速度計/磁力計
ラッキングカメラ内蔵カメラx2、外部カメラ不要
ルームスケールサイズ上限無し
参考:「Windows Mixed Reality ヘッドセット」 レビュー
   http://indiegame-japan.com/blog/2017/08/31/post-3368/
参考:AcerとHP製の「Windows Mixed Reality」対応HMDデベロッパー版がプレオーダー開始
   http://www.itmedia.co.jp/pcuser/articles/1705/12/news050.html
参考:AcerWindows Mixed Reality対応の開発者向けMR HMDを国内で予約受付開始
   http://www.4gamer.net/games/999/G999902/20170523011/
参考:AcerのMRヘッドセットのハンズオンレビューが公開
   https://vrinside.jp/news/acer-mr-headset-review/

価格

本体のみ40,000円
コントローラー同梱版44,000円
※1 開発者向け販売価格
※2 コントローラー同梱版は2017年末の発売予定

長所/短所

長所

・トラッキングカメラ内蔵によって外部カメラ無しでルームスケールVRを実現
・ルームスケールVRとしては安価な価格設定
Windows Mixed Realityの共通プラットフォームでの開発/利用環境

短所

・ルームスケールVRの中では視野角が狭い
・対応アプリ(UWPアプリ)の少なさ
・起動には外部PCが必要

アプリ開発環境

Visual Studio 2017
Windows Insider Preview SDK
Windows 10 Creators Update
・Unity 2017.2 Beta with Mixed Reality Support
・Unity Mixed Reality Technical Preview
参考:Install the tools
   https://developer.microsoft.com/en-us/windows/mixed-reality/install_the_tools

感想

Acer社から開発者向けに販売されているHUD型VRデバイスです。
筆者は本デバイスについて未購入です。

優れた点について

本デバイスの最も優れた点は「外部カメラが不要なルームスケールVR」と考えます。
機器は本体のみで利用可能であり、接続もPCに必要な端子は HDMIx1, USB3.0x1 のみと非常にシンプルです。
このため、Oculus Rift や HTC Vive と比べてセットアップが非常に簡易です。
ラッキング精度が若干劣ることになりますが、さほど気にならないというレビュー記事が多いです。
hololensのトラッキング精度を考えても十分なトラッキング精度があるものでしょう。

Windows Mixed Realityの共通プラットフォーム

開発者にとってはこちらの方が最大の利点と感じるかと思います。
hololensと同様のプラットフォームであり、hololens向けに開発したアプリは本デバイスでも実行可能です。
開発知識の共有もしやすく、充実したチュートリアルがあるため、開発者の負担はとても軽いです。

他のルームスケールVRと比較した際の欠点

視野角95度は他のルームスケールVRと比較して狭いです。
Oculus Rift, HTC Vive の110度は言わずもがな、PSVR, GearVR の100度よりも狭い視野となっています。
また、開発環境は整備されているものの Windows MR 向けのアプリはまだ充実しているとは言い難いです。
特に一般ユーザがエンターティメント目的で楽しめるアプリが不足しています。
Steam VR への対応が告知されていますが、対応時期については不明です。
Windows Mixed RealityヘッドセットがSteamコンテンツに対応
 http://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/1077884.html

Ready環境とUltra環境について

外部PC要求スペックを2種類記載しています。
Windows MR はゲーミングPCを持たないローエンドなコンピューターのサポートもターゲットにしているためです。
Ready環境では60FPSとなり、トラッキングの遅延も発生するため、酔いの原因になる可能性があります。
それでもハイエンドなPCを持たないユーザにとってはルームスケールVRを体験する有力な選択肢になるでしょう。
参考:Windows MRヘッドセット、2種類のPC動作要件が判明 ゲーミングPCでなくても動作
   http://www.moguravr.com/windows-mr/

コンシューマ版について

因みに10月にはコンシューマー版の販売が予定されています。
ヘッドバンドの改良などが加わるのみで、スペックに変化はないそうです。
Acer、MRヘッドセットの製品版、ヘッドバンドなどデザイン改良
 http://www.moguravr.com/acer-mr-headset-3/