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HoloLens用のオリジナルモデルを作成する その10(瞳のモデリング)

本日はホロ恋子モデルの作成枠です。
今回は瞳のモデリングです。
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これまでの瞳のモデリングと少しモデリングのやり方を変えています。
以下のように、白目部分は凹みの形で形成し、虹彩と瞳孔の部分のみを浮かす形で作成しています。
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この形で瞳を作る利点の一つは、白目の境界部分が瞼のポリゴンを覆う形になるため、横から見てもポリゴンの隙間が見えない点です。
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そして最大の特徴は、虹彩と瞳孔の部分を瞳の奥側に移動させたときのモデルの視線の見え方です。
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瞳をこの形でモデリングすると、虹彩と瞳孔の位置を奥にズラしただけで、以下のようにキャラクタの瞳の視点がこちらの方向を見るようになります。
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空間上でのこれらの物体の奥行関係を想像してもらうと、その仕組みが何となく分かると思います。

上方向から見ると、視点は上を向き。
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下方向から見ると、視点は下を向きます。
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デメリットとしてはライティングを行った場合、立体が正しくないので正確なライティングが行われません。
しかし、元々瞳は透明を意識した影付けをするので、見た目の違和感をそれほど感じないことが多いです。


このテクニックはMMDのモデルでも多用されている手法です。
瞳の位置を奥にずらすモーフを設定するだけのため、複雑なプログラミングが不要で、MMDはライティングも厳密でないからでしょうか。
今回のモデルはベイクを利用予定であり、厳密なライティングを行わない想定なのでテクニックを流用してみました。

この技術を知ってからMMDの動画を見ると、ほとんどの動画でキャラクタの瞳の視点がしっかりとカメラの方向を向いている事に気付きます。
細かなところに様々なテクニックが用いられているんですね。