本日は HoloLens の技術調査枠です。
MR Lighting ToolsとMRTKのシーンを組み合わせてみます。
前回記事の続きです。
bluebirdofoz.hatenablog.com
前回記事ではMR Lighting Tools付属のデモシーンを使ってその機能を確認しました。
今回はMRTKを用いて作成した既存のシーンにMR Lighting Toolsを追加する手順を記事にします。
プロジェクトとシーンの準備
以下の記事を元にHoloLens(WindowsMR)プロジェクトを作成します。
bluebirdofoz.hatenablog.com
2019/5/22現在、MRTK 2017 の最新バージョンは 2017.4.3.0 です。
MR Lighting Toolsを利用するため、Unity 2018.3 以上の環境でシーンを作成します。
シーンの準備
変化が分かりやすいように、シーンに配置した Shpere オブジェクトに MixedRealityToolkit/Standard シェーダを設定します。
Assets フォルダで右クリックから Create -> Material を選択して新規マテリアルを作成します。
作成した新規マテリアルのInspectorビューを開きます。
[Shader]のプルダウンから MixedRealityToolkit -> Standard を選択します。
マテリアルを Shpere オブジェクトにドラッグして反映します。
マテリアルの[Metallic]と[Smoothness]の設定値を高く設定し、マテリアルの反射率を上げます。
[Game]ウィンドウで Shpere オブジェクトが背景を反射していることを確認します。
MR Lighting Toolsの設定
MR Lighting Toolsの設定を行います。
初めに MRLightingTools0.1.1.unitypackage をプロジェクトにインポートします。
メニューに MixedRealityToolkit -> LightingTools の項目が追加されます。
MixedRealityToolkit -> LightingTools -> Create Light Capture Object を実行します。
Hierarchy に LightCapture が追加されます。
これで MR Lighting Tools がシーンに追加されました。
MR Lighting Toolsの利用には以下の3つの Capability が必要です。
PicturesLibrary:ピクチャフォルダのアクセス権限 WebCam:カメラのアクセス権限 SpatialPerception:空間マッピングのアクセス権限
メニューから Edit -> ProjectSettings から ProjectSettins ダイアログを開きます。
[Publishing Settings]の項目を開き、[Capabilities]の項目で追加が必要な Capability を設定します。
合わせて BuildSettings で表示される警告メッセージを解消するため、[OtherSettings]の[ScriptingBackend]を[IL2CPP]に変更します。
これで設定は完了です。
後は HoloLens 向けにプロジェクトをビルドしてインストールします。
UnityプロジェクトのビルドとHoloLensへのインストール手順については以下を参照してください。
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HoloLens上での実行
HoloLens でインストールしたアプリケーションを起動します。
アプリが現実空間全体のキャプチャを行う必要があるため、最初に空間を見渡したり歩き回ったりして空間認識を更新します。
配置された Sphere オブジェクトに現実空間の映像が映り込めば成功です。