本日は MRTK v2 の技術調査枠です。
MRTK v2を使ってのHoloLens1/HoloLens2/WindowsMR(VR)向けアプリを作成する方法について基本的な手順をまとめます。
今回は MRTKv2 の説明と MRTKv2 を利用するための環境構築手順になります。
2020/02/15追記
MRTK v2.3.0 のリリースに対応して本記事を更新。
合わせて、HoloLens1/HoloLens2/WindowsMR対応版に更新。
2020/06/02追記
MRTK v2.4.0 のリリースに対応して本記事を更新。
MRTKv2 とは
MRTK-Unity は Unity でのクロスプラットフォームのMRアプリ開発を支援するための機能セットを提供する Microsoft 主導のプロジェクトです。
MRTK の機能は次のとおりです。
・HoloLens, Windows Mixed Reality および OpenVR での Unity 開発の基本的な構成要素を提供します。
・エディタ内シミュレーションを介したプロトタイピングを可能にし、プロジェクトの変更を直に確認できます。
・開発者がコアコンポーネントを交換できるようにする拡張可能なフレームワークとして設計されています。
・幅広いプラットフォームのサポートを含みます。
- Microsoft HoloLens
- Microsoft HoloLens 2
- Windows Mixed Reality ヘッドセット
- OpenVRヘッドセット(HTC Vive / Oculus Rift)
- Mobile AR (Android / iOS)
- Ultraleap Hand Tracking
github.com
2020/06/02現在、MRTK v2.4.0 は以下のサポートを実験的(Experimental)に含んでいます。
・Unity 2019.3 XR platform
2.4.0の変更点
既存バージョンから 2.4.0 への変更点については以下のリリースノートを参照してください。
特に Unity 2019.3 を利用する場合はいくつかの既知の問題が発生するので注意が必要です。
microsoft.github.io
開発環境
MRTKv2を利用してUWPアプリを作成する場合、以下の環境が必要です。
・Unity 2018.4.x, 2019.1.x または 2019.2.x
・Visual Studio 2019
・Windows SDK 18362 以上
それぞれ以下のインストール手順を参照ください。
Unity のインストール
Unity は Unity Hub を利用してインストールすることをお奨めします。
以下のインストール手順を参照し、Unity Hub をインストールして下さい。
Unity Hubを利用した特定バージョンの Unity のインストール手順は以下を参照してください。
bluebirdofoz.hatenablog.com
UWPアプリをビルドするために、インストールの際には以下のコンポーネントにチェックを入れます。
Unity 2019.1.x または 2019.2.x の場合
・Universal Windows Platform Build Support
Unity 2018.4.x の場合
・UWP Build Support(IL2CPP)
・UWP Build Support(.NET)
Visual Studio 2019 のインストール
以下のインストール手順を参照し、Visual Studio 2019 をインストールしてください。
bluebirdofoz.hatenablog.com
アプリを IL2CPP でビルドを行う場合、[C++(v142)ユニバーサルWindowsプラットフォーム]のインストールが必要になります。
VisualStudio のインストーラで追加のインストール設定を行えます。
またはビルドの際に追加インストールを要求されますので、こちらからもインストール可能です。
Windows SDK 18362 のインストール
2019/11/01現在は最新の Windows SDK がバージョン 18362 になります。
WindowsUpdate で最新のメジャーアップデートが適応されていることを確認してください。
ウィンドウズメニューから[設定]を開き、[バージョン情報]タブで現在の OS バージョンが確認できます。
Visual Studio 2019 のインストール時に[Windows 10 SDK (10.0.18362.0)]が含まれていれば利用可能です。
MRTKv2のダウンロード
以下のリリースページから MRTKv2 のパッケージをダウンロードします。
github.com
以下の4つの UnityPackage のダウンロードリンクがあります。
・Microsoft.MixedReality.Toolkit.Unity.Examples.2.4.0.unitypackage
・Microsoft.MixedReality.Toolkit.Unity.Extensions.2.4.0.unitypackage
・Microsoft.MixedReality.Toolkit.Unity.Foundation.2.4.0.unitypackage
・Microsoft.MixedReality.Toolkit.Unity.Tools.2.4.0.unitypackage
アプリ作成のため、必須となるのは Foundation のみです。
他の Examples, Extensions, Tools はオプションパッケージとなります。
今回は4つのパッケージを全て取得しました。
なお、4つのパッケージはそれぞれ以下の役割を持ちます。
Foundation:MRTKv2のコアパッケージです。インポートは必須になります。 Examples :MRTK機能を使ったデモシーンを含むパッケージです。インポートは任意です。 Tools :便利な開発者用ツールを含むパッケージです。インポートは任意です。 Extensions:オプションコンポーネントを含むパッケージです。インポートは任意です。
各パッケージに含まれる機能やツールの詳細は以下のページを参照ください。
bluebirdofoz.hatenablog.com
次回は MRTKv2 を使った Unity プロジェクトの作成手順に続きます。
bluebirdofoz.hatenablog.com
参考ページ
MRTKv2の公式ドキュメントは以下になります。
microsoft.github.io