本日は MRTK の小ネタ枠です。
MRTKでTheme設定を使って無効化時に見た目が変化するボタンを作成する手順を記事にします。
MRTKのボタンプレハブ
MRTK のボタンは Interactable コンポーネントを使って状態(State)を管理しています。
Theme の設定で状態ごとの設定を行うことで、ボタンの状態に応じた見た目の変化を定義できます。
docs.microsoft.com
docs.microsoft.com
Interactable コンポーネントの[General]項目でボタンの状態の定義を、[Profiles]項目で状態に応じたボタンの変化を定義できます。
サンプルプロジェクトの作成
実際に手順を実施してみるため、MRTK をインポートしたサンプルプロジェクトを作成します。
MRTK のインポートと基本設定
MRTK のインポートと HoloLens 向けプロジェクトの基本設定を行い、サンプルプロジェクトを作成します。
手順の詳細は以下の記事を参照してください。
bluebirdofoz.hatenablog.com
無効化状態のときにボタンの色を変化させる
実際に無効化状態のときにボタンの色を変化させる設定を行ってみます。
ボタンを無効化する
初めにボタンの変化を確認するため、ボタンを無効化する以下のサンプルスクリプトを作成しました。
・ButtonDisable.cs
using System.Collections; using System.Collections.Generic; using UnityEngine; using Microsoft.MixedReality.Toolkit.UI; [RequireComponent(typeof(Interactable))] public class ButtonDisable : MonoBehaviour { [ContextMenu("DisableButton")] public void IsDisableInteractable() { // Interactableの状態を Disabled に移行する this.GetComponent<Interactable>().IsEnabled = false; } }
ボタンにスクリプトを追加し、シーン再生中にコンテキストメニューから[DisableButon]を実行することでボタンを Disabled 状態に移行できます。
デフォルトのボタンでは Disabled 状態になっても[Say XXX]の音声認識用ラベルが非表示になるだけで、ボタンの見た目は変わりません。
背景色を変化させるThemeを作成する
今回はボタンの状態の定義は変更せず Profiles に状態に応じた変化を Theme で設定します。
MRTK をインストールしたプロジェクトの Project フォルダで右クリックから[Create -> MixedReality -> Toolkit -> Theme]で新規 Theme を作成できます。
作成した Theme に名前を設定し、Inspector ビューを開きます。
[States]項目にボタンプレハブで使用されている[FocusPressTouchGrabStates]を設定します。
これで状態ごとの変化を設定できるようになります。
今回はボタンの背景色を変化させたいので[Theme Runtime]に[InteractableColorTheme]を設定します。
状態ごとの色を設定できるようになるので Disabled 時のみ灰色の背景色を設定します。
これで状態に応じて色を変化させる Theme を作成できました。
Themeをボタンに設定する
作成した Theme をボタンに設定します。
Interactable コンポーネントの[Add Profile]をクリックして新規 Profile を作成します。
[Target]項目には Theme の変化を適用するゲームオブジェクトを設定します。
今回の場合、ボタンの背景色を表示している[BackPlate/Quad]オブジェクトを指定します。
[Theme]項目に先ほど作成した Theme を指定して設定完了です。
背景色のマテリアル設定
実際に試してみたところ、ボタンの背景色はカラー設定よりも[indescene]の色合いの影響が大きいことが分かったので動作確認ではこれを無効化しました。
動作確認
シーンを再生して動作を確認します。
ボタンを Disabled 状態に変化させると以下の通りボタンの背景色が変わるようになりました。