本日はホロ恋子モデルの作成枠です。
今回はローポリゴンモデルへの「細分割曲面モディファイア」の反映について調査を行いました。
今回作成したモデルは非常にローポリゴンのため、そのままだとカクツキが目立ちます。
やはり、キャラクターモデルは有機的な滑らかな見た目にしたいところです。
見た目を滑らかにする方法としては、書籍課題で実施したように、テクスチャを利用する手段があります。
モデルに「細分割曲面モディファイア」を反映してベイクを行い、滑らかな見た目のテクスチャを取得して利用する解決方法です。
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しかし今回、試しに細分割曲面モディファイアをモデルに反映したところ、オブジェクトが大きく歪む事象が発生しました。
これは細分割曲面モディファイア利用時に必ず発生する「縮み」という現象です。
細分割曲面モディファイアは頂点を増やして、曲面を滑らかにするので、ローポリゴンのような角ばったのオブジェクトほど縮みが大きくなります。
事象を分かりやすくするため、それぞれ立方体とICO球に、細分割曲面モディファイアを当ててみました。
角ばった形状の立方体が大きく縮むのが分かります。
解決方法の一つとして、レンダリングの「スムーズ」のみを用いて滑らかなテクスチャ取得を行う方法があります。
レンダリングの「スムーズ」ではオブジェクトの形状は変更せず、レンダリングの陰影にのみスムーズ処理をかけるため、縮みは発生しません。
しかし、この手法はその特性上、メッシュの辺や頂点位置が陰影として強調されるため、ポリゴンが荒い部分の陰影が極端に目立ってしまいます。
よって、今回は細分割曲面モディファイアに加えて「クリース付け」の機能を利用します。
これは辺に 0.0 ~ 0.1 のクリース値を設定しておけば、そこに掛かる細分割曲面モディファイアの強度を調整できるというものです。
値が 1.0 に近くなるほど、鋭角な形を保ちます。
鋭角にしたいラインと滑らかにしたいラインが混在している前髪オブジェクトで試してみました。
上側がクリース設定を行わないまま、細分割曲面モディファイアを反映した例。
下側が適切なクリース設定を行った上で、細分割曲面モディファイアを反映した例です。
下側の例では、必要な輪郭は維持しつつ、表面部分は滑らかな局面になっていることが分かります。
ここに更にレンダリングの「スムーズ」機能を重ね合わせると、ようやく期待通りの滑らかな陰影が得られます。
クリース付けの手間は大変ですが、ローポリゴンで滑らかな質感を得るためにはやむなしです。