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HoloLens特化のホロ恋子モデルを作成する その9(スムーズ表示と細分割曲面)

本日はホロ恋子モデル2の作成枠です。
前回、顔のモデリングを行いました。
ここでモデルの見た目を精細にする「スムーズ表示」と「細分割曲面」の機能についてまとめます。
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どちらもモデルの仕上がりに大きく影響し、かつ、今後のモデリング方針を決める重大な要素です。
それぞれの機能について説明します。

スムーズ表示

「スムーズ表示」は光の反射による色の変化を滑らかにして、メッシュ全体を曲面に見せる機能です。

デフォルトでは「フラット表示」が有効になっています。
「フラット表示」ではポリゴンの面がそのまま平らに光を反射するため、メッシュ全体がポリゴンによって角ついて見えます。
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表示を切り替えるには、スムーズ対象のオブジェクトを選択して「オブジェクトモード」に切り替えます。
3Dビューの「ツール」タブに、シェーディング:[スムーズ]のボタンがあるのでこれをクリックします。
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メッシュ全体が滑らかな陰影になり、ポリゴンの角つきが抑えられました。
色の変化が滑らかになっているだけなので、メッシュの頂点数は変わりません。
横視点の鼻の辺りを見ると、頂点の形状が変わっていないことがよく分かります。

細分割曲面

「細分割曲面モディファイア」という機能で、頂点数を増やすことでメッシュ全体を曲線にする機能です。

一旦「フラット表示」に戻し、先ほどの顔オブジェクトに「細分割曲面モディファイア」を設定してみます。
対象のオブジェクトを選択してプロパティウィンドウにある[モディファイア]タブを開きます。
[追加]のプルダウンを開き、[細分割曲面]モディファイアを選択します。
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すると、頂点数が増えて全体的に滑らかな形になりました。
頂点数を確認すると、三角面:208 から 三角面:856 に増加しているのが分かります。
また、陰影は滑らかにならないため、細分割されたポリゴンの角つきが確認できます。
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「細分割曲面モディファイア」は頂点そのものを平均化して滑らかにしているため、ディテールが損なわれるという欠点があります。
例えば、顔オブジェクトの鼻部分に注目すると、かなり高さが抑えられてしまったことが分かります。
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この「縮み」は特に頂点数が少ない箇所や角張った箇所で顕著に発生します。
以前、この「細分割曲面モディファイア」で発生する「縮み」についてまとめた記事があるので興味があれば参照してください。
bluebirdofoz.hatenablog.com

両方の機能を用いた場合

「スムーズ表示」と「細分割曲面」を併用することも可能です。
「細分割曲面モディファイア」を設定した状態で「スムーズ表示」を有効にしたものが以下になります。
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元のメッシュと比較すると、これらの機能を利用するだけでかなり滑らかなメッシュ形状となります。
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ローポリゴンモデル作成時は「細分割曲面」は利用しない

「スムーズ表示」も「細分割曲面」もモデルの完成度を上げる重要な機能です。
同時に見た目が大きく変わる可能性があるため、適宜機能を有効化して、完成系をイメージしながら作成する必要があります。

今回のホロ恋子モデルではローポリゴンモデルを目指しているので「スムーズ表示」のみを利用していきます。
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「細分割曲面」は頂点数が増えてしまう事に加えて、前述の「縮み」事象がローポリゴンだと顕著に発生するためです。

因みにこれらの機能はオブジェクトに設定する効果です。
現在はまだ Plane オブジェクトしかありませんが、「スムーズ表示」も「細分割曲面」もオブジェクト作成毎に設定を行う必要があります。
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次は目のモデリングです。
bluebirdofoz.hatenablog.com