本日は Blender の小ネタ枠です。
別のBlenderプロジェクトに含まれるメッシュやマテリアルなどのデータを「リンク」機能で参照する方法を記事にします。
本記事では「リンク」機能で参照したデータの一部を上書き編集する「ライブラリオーバーライド」機能を試してみます。
前提条件
前回記事の続きです。「リンク」機能については以下の記事を参照ください。
bluebirdofoz.hatenablog.com
ライブラリオーバーライド機能
「リンク」で参照しているデータの一部を上書き可能なオブジェクトを作成します。
ただし「編集モード」で行う操作は制限されており、それ以外の編集が可能になります。
Blender 3.0 より前は「プロキシ」という同じように上書きを行う機能がありました。
Blender 2.81 以降に「ライブラリオーバーライド」が追加され、Blender 3.0 以降は「プロキシ」機能は削除されています。
「プロキシ」と「ライブラリオーバーライド」機能の違いは以下のページを参照ください。
dskjal.com
同じ素材データから複数の独立したオーバーライドを作成できる 素材データを破壊せずにモディフィアやコントレイントを追加できる プロキシでは変更できなかったデータを変更でき、マテリアルやテクスチャなどのプロパティを選択して変更できる オーバーライドが再帰的に適用される(オーバーライドされたデータを、さらにリンクしてオーバーライドできる)
(上記ページより引用)
ライブラリオーバーライドの作成
オブジェクトを選択し、メニューから[オブジェクト -> 関係 -> ライブラリオーバーライドを作成]を実行します。
以下の通りアウトライナーウィンドウに参照元の「リンク」オブジェクトとライブラリオーバーライドされたオブジェクトが表示されます。
試しにマテリアルを上書きしてみます。
ライブラリオーバーライドされたオブジェクトを選択し、分かり易いよう「リンク」オブジェクトは非表示にしておきます。
[マテリアル]タブを開き、[リンク]の設定を[オブジェクト]に変更します。
プロジェクト内にある他のマテリアルを選択できるようになるので使用したいマテリアルを選択します。
これでマテリアルのみ上書き設定することができました。
形状のデータは参照されたままなので、参照先のプロジェクトで形状を変更するとライブラリオーバーライドされたオブジェクトの形状も以下の通り変化します。