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MRTKv2を使ってHoloLens1向けアプリを作成する ビルド手順編(MRTK v2.1.0版)

本日は HoloLens の技術調査枠です。
MRTKv2を使ってのHoloLensアプリを作成する方法について基本的な手順をまとめます。
今回はUnityプロジェクトの新規作成からUWPアプリをビルドするまでの手順になります。
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2019/12/12追記

MRTKのバージョン 2.2.0 がリリースされました。最新のビルド手順は以下の記事になります。
bluebirdofoz.hatenablog.com
本記事はMRTKのバージョン 2.1.0での実施手順になります。

Unity プロジェクトの作成

Unity の新規プロジェクトを作成します。
Unity Hub の[新規作成]を起動し、新規プロジェクトの作成を行います。
このとき、利用する Unity のバージョンは 2018.4.x, 2019.1.x または 2019.2.x を選択します。
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本記事では 2018.4.x を利用します。
以下の通りに設定を行い、[作成]ボタンをクリックしてプロジェクトを作成します。
・テンプレート:[3D]
・プロジェクト名:任意のプロジェクト名
・保存先:任意のディレクト
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これで新規プロジェクトが作成されました。

初めにアプリのビルドプラットフォームを UWP に切り替えます。
メニューから File -> Build Settings.. を選択します。
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Build Settings ダイアログが開きます。
[Add Open Scenes]をクリックして現在のシーンをビルド対象のシーンとして追加します。
[Platform]から[Universal Windows Platform]を選択して[Switch Platform]を実行します。
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これでビルド対象にシーンが追加され、プラットフォームが UWP(Universal Windows Platform) に切り替わりました。
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パッケージのインポート

準備が整ったのでプロジェクトに MRTKv2 をインポートします。
Microsoft.MixedReality.Toolkit.Unity.Foundation.2.1.0.unitypackage をインポートします。
Unity プロジェクトを開いた状態であれば unitypackage をダブルクリックでインポートできます。
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Import Unity Package ダイアログが開きます。
[Import]ボタンをクリックして、パッケージをインポートします。
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Foundation パッケージはインポート完了時に、以下のダイアログが表示されることがあります。
[Apply]を選択すると、以下の種デフォルト設定が行われます。
・現在のプラットフォームで XR Settings を有効にする
レンダリングパスをシングルパスで指定する
・デフォルトの空間認識レイヤーを設定する
特に指定がなければ[Apply]で自動設定する事が推奨されます。
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これで Foundation パッケージがインストールされました。
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必要であれば他のオプションパッケージも同様の手順でインポートを行います。
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シーンの設定

次にアプリのシーンを設定を行います。
今回は HoloLens1 向けのアプリシーンを作成します。

Foundation パッケージをインポート済みであれば[Mixed Reality Toolkit]メニューが追加されています。
そのメニューから Mixed Reality Toolkit -> Add to Scene and Configure.. を選択します。
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Select MixedRealityToolkitConfigurationProfile ダイアログが開きます。
HoloLens 向けのアプリシーンを作成する場合は[DefaultHoloLens1ConfigurationProfile]を選択します。
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プロファイルの詳細については以下のドキュメントページを参照ください。
microsoft.github.io

これでプロファイルが読み込まれ、HoloLens1 に適したシーンの設定が行われました。
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サンプルシーンの作成

このままビルドして HoloLens にインストールすることも可能ですが、動作確認用にサンプルシーンを作ってみます。
Hierarchy 上で右クリックして で Cube オブジェクトを作成します。
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作成した Cube オブジェクトの[Transform]コンポーネントの値を以下の通り調整しました。

Position X:0, Y:0, Z:1
Rotation X:0, Y:0, Z:0
Scale X:0.2, Y:0.2, Z:0.2

これでアプリを実行すると、目の前に 20cm 四方の Cube オブジェクトが表示されます。
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[再生]ボタンをクリックすることで、[Game]画面上でアプリの動作を確認できます。
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プロジェクトのビルド

プロジェクトのビルドを行います。
メニューから File -> Build Settings.. を選択します。
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Build Settings ダイアログが開くので、[Build]を実行します。
ビルドでは出力先のディレクトリを指定する必要があります。
今回は App という名前のディレクトリを作成し、これを指定しました。
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ビルドが完了すると、指定ディレクトリに Visual Studio のソリューションファイルが出力されます。
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次回は HoloLens1 へのインストール手順に続きます。
bluebirdofoz.hatenablog.com