MRが楽しい

MRやVRについて学習したことを書き残す

MRTK v2を使ってHoloLens1/HoloLens2/WindowsMR(VR)向けアプリを作成する インストール手順

本日は MRTK v2 の技術調査枠です。
MRTK v2 を使ってのHoloLens1/HoloLens2/WindowsMR(VR)向けアプリを作成する方法について基本的な手順をまとめます。
今回はビルドしたアプリケーションを HoloLens1/HoloLens2/WindowsMR(VR) にインストールします。
f:id:bluebirdofoz:20200216053528j:plain

以下記事の続きです。
bluebirdofoz.hatenablog.com

2020/02/15追記

HoloLens1/HoloLens2/WindowsMR対応版に更新。

バイス の準備

Visual Studio からアプリをデバイスインストールできるように HoloLens の「開発者モード」を有効化する必要があります。

HoloLens1/HoloLens2の場合

HoloLens1 または HoloLens2 では App 一覧から[設定(Settings)]パネルを開きます。
f:id:bluebirdofoz:20200216053605j:plain

[設定(Settings)]パネルが開いたら[更新とセキュリティ(Update & Security)]を選択します。
f:id:bluebirdofoz:20200216053613j:plain

[開発者向け(For developers)]タブを開き、[開発者向け機能を使う(Use developer features)]のチェックボックスを ON に切り替えます。
f:id:bluebirdofoz:20200216053622j:plain

これでデバイスが「開発者モード」となり、作成したアプリをインストールできるようになります。

WindowsMR(VR)の場合

WindowsMR を利用するPCのWindowsメニューの歯車アイコンから[設定]パネルを開きます。
f:id:bluebirdofoz:20200216053633j:plain

[設定]パネルが開いたら[更新とセキュリティ]を選択します。
f:id:bluebirdofoz:20200216053642j:plain

[開発者向け]タブを開き、[開発者モード]のラジオボタンを ON に切り替えます。
f:id:bluebirdofoz:20200216053652j:plain

Unityプロジェクトのビルド

プロジェクトのビルドを行います。
メニューから File -> Build Settings.. を選択します。
f:id:bluebirdofoz:20200216053702j:plain

Build Settings ダイアログが開くので、[Build]を実行します。
ビルドでは出力先のディレクトリを指定する必要があります。
今回は App という名前のディレクトリを作成し、これを指定しました。
f:id:bluebirdofoz:20200216053712j:plain

ビルドが完了すると、指定ディレクトリに Visual Studio のソリューションファイルが出力されます。
f:id:bluebirdofoz:20200216053722j:plain

UWPアプリのビルドとインストールの実行

Unity プロジェクトのビルドで作成したソリューションファイル(*.sln)を開きます。
f:id:bluebirdofoz:20200216053733j:plain

ビルド設定の[プラットフォーム]の項目欄をインストールする対象のデバイスに合わせて変更します。
・HoloLens1の場合:[x86]
・HoloLens2の場合:[ARM]
・WindowsMR(VR)の場合:インストール対象のPCの構成に合わせて変更
f:id:bluebirdofoz:20200216053749j:plain

HoloLens1/HoloLens2の場合

HoloLens を USB ケーブルで PC に繋いでいる場合は、インストール先を[Device]に設定します。
f:id:bluebirdofoz:20200216053802j:plain

USBケーブルで HoloLens を認識させる場合は以下の記事に従って開発者ツールをインストールしておく必要があります。
bluebirdofoz.hatenablog.com

または同一ネットワーク上に接続した HoloLens にインストールする場合、インストール先を「リモートコンピューター」に設定して IP アドレスを設定します。
f:id:bluebirdofoz:20200216053823j:plain

IP アドレスの設定はメニューから デバッグ -> (プロジェクト名)のプロパティ を開きます。
プロパティページダイアログが開くので、コンピュータ名に IP アドレスを指定します。
f:id:bluebirdofoz:20200216053835j:plain

メニューから デバッグ -> デバッグなしで開始 を選択すると、HoloLens へのインストールが開始されます。
f:id:bluebirdofoz:20200216053846j:plain

WindowsMR(VR)の場合

WindowsMR を利用するPCが開発PCそのものである場合、インストール先を「ローカルコンピューター」に設定してインストールできます。
f:id:bluebirdofoz:20200216053857j:plain

メニューから デバッグ -> デバッグなしで開始 を選択すると、ローカルPCへのインストールが開始されます。
f:id:bluebirdofoz:20200216053908j:plain

起動確認

インストールが完了すると、アプリケーションがデバイス上で起動します。
作成したシーンが動作することを確認してください。
f:id:bluebirdofoz:20200216053920j:plain

MRTK でプロジェクトを作成すると、Unity シーンを変更することなく、様々なデバイスにアプリケーションをデプロイできます。

HoloLens1の場合

HoloLens1でアプリケーションを起動すると、以下のようにアプリケーションが動作します。
f:id:bluebirdofoz:20200216053939j:plain
DefaultMixedRealityToolkitConfigurationProfile でビルドしたため、空間メッシュが表示されているのが確認できます。
空間メッシュはデフォルトでは不透過の黒色であるため、キャプチャを行うと背景が黒くなります。
実際には、HoloLens1の装着者は背景が透過して見えます。

HoloLens2の場合

HoloLens2でアプリケーションを起動すると、以下のようにアプリケーションが動作します。
f:id:bluebirdofoz:20200216053951j:plain
DefaultMixedRealityToolkitConfigurationProfile でビルドしたため、空間メッシュとハンドメッシュが表示されているのが確認できます。
空間メッシュはデフォルトでは不透過の黒色であるため、キャプチャを行うと背景が黒くなります。
実際には、HoloLens2の装着者は背景が透過して見えます。

WindowsMR(VR)の場合

WindowsMR(VR)でアプリケーションを起動すると、以下のようにアプリケーションが動作します。
f:id:bluebirdofoz:20200216054002j:plain
VRで起動した場合、デフォルトでは背景がスカイボックスになります。

PIN の入力

初めて「リモートコンピューター」へのインストールを実施する場合は以下のダイアログが表示され、PIN の入力を要求されます。
f:id:bluebirdofoz:20200216054034j:plain

[設定(Settings)]パネルを開き、[更新とセキュリティ(Update & Security)]を選択します。
f:id:bluebirdofoz:20200216054043j:plain

[開発者向け(For developers)]タブを開き、[デバイスの検出(Device discovery)]欄にある[ペアリング(Pair)]ボタンをタップします。
f:id:bluebirdofoz:20200216054054j:plain

ウィンドウが開き、PIN が表示されます。
これが先ほどのダイアログに入力する PIN になります。
f:id:bluebirdofoz:20200216054102j:plain