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ARとVRデバイスを色々調べてまとめる(Hololens)

ARとVRデバイスを色々調べてまとめる AR枠その1 Hololens です。

スペック

本体スペック

CPUIntel 32 bit architecture
GPUCustom built Microsoft Holographic Processing Unit(HPU 1.0)
メモリ64GB Flash/2GB RAM
OSWindows 10
スピーカービルトイン・スピーカー
無線LANWi-Fi 802.11ac
BluetoothBluetooth 4.0 LE
バッテリー2~3時間連続稼働
最大待機時間2週間
充電しながらの動作も可能
放熱ファンなし
電源2.5A/5.2V
重量579g

透過型ディスプレイ

アスペクト比16:9
解像度1280×720
視野角左右40°程度
フレームレート60fps
(デバイスポータル*1でキャプチャ時は30fps)
ホログラフ配置可能距離0.5~5m
ホログラム配置最適距離1.25~5m/映画などは2mが最適距離

搭載センサ

慣性計測ユニット(IMU)1個(加速度、ジャイロ、方位を測定)
環境認識カメラ4個
depthセンサー1個(ジェスチャー用)
RGBカメラ2MP×1個
複合現実感キャプチャ1個
マイク4個(左右2個ずつ)
周辺光センサー1個
参考:MRとは? HoloLensのハードウェア/機能/アプリ動作/ユーザー操作
   http://www.buildinsider.net/small/hololens/001

価格

Development Edition33万3800 円税別
Commercial Suite55万5800 円税別
※ 日本向け販売価格

長所/短所

長所

・PC内蔵型のスタンドアローン機のため、単体動作可能
・開発環境が充実 Unity向けのライブラリやMicrosoftの開発チュートリアル
・充実した本体の搭載デバイス

短所

・高額な価格設定
・透過型ディスプレイの視野角の狭さ

アプリ開発環境

Visual Studio 2017 or Visual Studio 2015 Update 3
・HoloLens Emulator
・Unity 5.5 以上
参考:Install the tools
   https://developer.microsoft.com/en-us/windows/mixed-reality/install_the_tools

感想

本機はMicrosoft社から開発者または法人向けに販売されているHUD型ARデバイスです。
紹介するARデバイスでは筆者が唯一所有しているものとなります。

優れた点について

この機器の最大の特徴と優れた点はhololens単体での自己完結性の高さだと思います。
PC内蔵型のスタンドアローン機というだけでなく、様々なセンサや通信機器を内蔵しているため、ほとんどのやりたい事がhololensだけで完結します。
アプリ動作用の外部PCも、ジェスチャ認識や空間認識用のセンサも、音声認識用のマイクも、デバイス連携用のBluetoothのアダプタも追加は不要です。全てhololensに入っています。
身に着けるものであるからには、それ単体で持ち運び利用できなければ意味がないというMicrosoftの拘りを感じます。
値段は気にしないので、とにかく様々な用途で利用できる総合デバイスが欲しいという方はこれ一択です。
(むしろフル活用できるのであれば現状の33万でも十分に安い価格と思います)

開発者にとって

開発環境の充実も見逃せません。
チュートリアルプロジェクトまで公開されているので、Unityの知識があれば直ぐにアプリ開発が可能でしょう。
インターネットでの開発コミュニティが盛んで情報が簡単に得られます。日本語での情報が多いのはとても助かります。
アプリの流用性も非常に高いです。
hololens専用アプリではなく、Windows上でUWPアプリを動作する形なので後方互換や今後様々なデバイスへの展開も容易でしょう。

事実、サードパーティ社からARデバイスの販売が発表されており、アプリに互換があることが予想されています。
・HoloLensを初めとするMRデバイスが続々登場!発表済みのMRヘッドマウントディスプレイをまとめてご紹介
 http://vrinside.jp/news/mr-device-ofallnow/
ソフトの修正なしにハードを選択できることは開発者の負担を大きく減らしてくれると思います。

不満点について

個人的な不満点は透過型ディスプレイの視野角の狭さのみです。
映像に対する没入感がないため、仮想現実の世界を体験するようなアトラクション的な利用には向いていません。
その代わり解像度は高く、表示した文字などは問題なく読むことができます。現実世界をベースとしたAR的な用途に適しています。

最後に

ただ本機はやはり、全部乗せの試作機というイメージが強いです。
しばらく価格が下がることもないでしょうし、数年内にこの全部乗せのまま一般向けに販売されるとも思えません。
「5年後の未来、MRで何ができるのか」を今試しておきたいという開発者向けのデバイスです。