本日は Blender の技術調査枠です。
Blender3.0で利用可能なpythonスクリプトを作ります。
ハンドラーを使って状態の変化を検知する
Blender の Python API では Application Handlers を使ってプロジェクトの様々な状態変化を検知して処理を実行することができます。
docs.blender.org
以下、参照ページの日本語訳です。
基本的なハンドラーの例
以下は Handler を追加する最も簡単な例を示しています。
import bpy def my_handler(scene): print("Frame Change", scene.frame_current) bpy.app.handlers.frame_change_pre.append(my_handler)
永続ハンドラーの例
デフォルトでは新しいプロジェクトをロードするとき、ハンドラーが解放されます。
プロジェクト間でハンドラーを実行し続けたい場合(ハンドラーがアドオンの一部である場合など)は bpy.app.handlers.persistent デコレータを使用する必要があります。
import bpy from bpy.app.handlers import persistent @persistent def load_handler(dummy): print("Load Handler:", bpy.data.filepath) bpy.app.handlers.load_post.append(load_handler)
データの変更に関する注意
ハンドラー呼び出しからのデータの変更は慎重に行う必要があります。
例えばレンダリング中の frame_change_pre, frame_change_post ハンドラーはビューポートとは異なるスレッドから呼び出されています。
このときハンドラーでビューポートからアクセスされるデータを変更した場合、Blenderがクラッシュする可能性があります。
このような場合はレンダリングを開始する前に、インターフェイスをロックします。
(Render → Lock Interface または bpy.types.RenderSettings.use_lock_interface)
以下は、ハンドラーから変更するメッシュの例です。
def frame_change_pre(scene): # A triangle that shifts in the z direction zshift = scene.frame_current * 0.1 vertices = [(-1, -1, zshift), (1, -1, zshift), (0, 1, zshift)] triangles = [(0, 1, 2)] object = bpy.data.objects["The Object"] object.data.clear_geometry() object.data.from_pydata(vertices, [], triangles)
サンプルコード
今回は以下の Depsgraph の変化を検知する Handlers を使ってモードの切り替えを検知してみます。
docs.blender.org
docs.blender.org
・Script_handler_viewmodet.py
# bpyインポート import bpy # @persistent参照のため from bpy.app.handlers import persistent # @persistentを指定することで起動中は永続的にハンドラーが登録される # (https://docs.blender.org/api/current/bpy.app.handlers.html#persistent-handler-example) @persistent def handler_check_viewmode(scene): # 現在のモードが「編集モード(EDIT_MESH)」かチェックする result = check_viewmode('EDIT_MESH') # 結果をコンソールに表示する print("Is EditMode : " + str(result)) # 現在のモードが指定のモードかチェックする def check_viewmode(arg_checktype:str) -> bool: """現在のモードが指定のモードかチェックする Keyword Arguments: arg_checktype {str} -- 比較するモード名 Returns: str -- 現在のモード """ # 現在のモードをチェックする # (https://docs.blender.org/api/current/bpy.context.html#bpy.context.mode) modetype = bpy.context.mode return (arg_checktype == modetype) # ハンドラの登録例 # (https://docs.blender.org/api/current/bpy.app.handlers.html#bpy.app.handlers.depsgraph_update_post) # Depsgraph の変化を検出する # (https://docs.blender.org/api/current/bpy.types.Depsgraph.html) bpy.app.handlers.depsgraph_update_post.append(handler_check_viewmode)
以下の通り、モードの切り替え操作を行った時に depsgraph_update_post ハンドラーによって関数が実行されます。