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MRTK v2.4.0を使ってHoloLens2のHelloWorldアプリを作成する その3

本日は MRTK v2 の技術調査枠です。
本記事では MRTK の機能を使って Unity で HoloLens2 の HelloWorld アプリを作成するまでの手順を記事にします。
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その3はアプリケーションのビルドとインストールを行います。

前提条件

前回記事の続きになります。
bluebirdofoz.hatenablog.com

Unityでのビルド

Unity プロジェクトのビルドを行います。
メニューから File -> Build Settings.. を選択します。
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Build Settings ダイアログが開くので、[Build]を実行します。
ビルドでは出力先のディレクトリを指定する必要があります。
今回は App という名前のディレクトリを作成し、これを指定しました。
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ビルドが完了すると、指定ディレクトリに Visual Studio のソリューションファイルが出力されます。
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HoloLens2へのインストール

バイスの準備

Visual Studio から HoloLens2 にアプリをインストールするには HoloLens2 の「開発者モード」を有効化する必要があります。
HoloLens2 でメニューを開き、「設定」パネルがピン留めされている場合はこれをタップします。
「設定」パネルが見当たらない場合は右端にある「すべて」をタップ選択します。
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ピン留めされていない場合は「すべて」の一覧の中から「設定」パネルを選択します。
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[設定(Settings)]パネルが開いたら[更新とセキュリティ(Update & Security)]を選択します。
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[開発者向け(For developers)]タブを開き、[開発者向け機能を使う(Use developer features)]のチェックボックスを ON に切り替えます。
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これでデバイスが「開発者モード」となり、作成したアプリを Visual Studio からインストールできるようになります。

プラットフォームとインストール先の指定

Unity プロジェクトのビルドで作成したソリューションファイル(*.sln)を開きます。
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ビルド設定の[プラットフォーム]の項目欄をインストールする対象のデバイスに合わせて変更します。
HoloLens2 の場合、[ARM]を選択します。
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アプリをインストールする方法は2つあり、USBケーブル接続を利用する方法と Wifi 接続を利用する方法があります。

USBケーブル接続を利用する方法

USBケーブルで HoloLens を認識させる場合は以下の記事に従って開発者ツールをインストールしておく必要があります。
bluebirdofoz.hatenablog.com

HoloLens を USB ケーブルで PC に接続してインストール先を[Device]に設定します。
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Wifi 接続を利用する方法

Wifi 接続を利用する場合は HoloLens2 を同一ネットワーク上に接続し、IPアドレスを確認します。
詳しい手順は以下の記事を参照してください。
bluebirdofoz.hatenablog.com

インストール先を「リモートコンピューター」に設定して IP アドレスを設定します。
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IP アドレスの設定はメニューから デバッグ -> (プロジェクト名)のプロパティ を開きます。
プロパティページダイアログが開くので、コンピュータ名に IP アドレスを指定します。
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アプリのインストール

上記いずれかの方法でインストール先を設定したらインストールを行います。
メニューから デバッグ -> デバッグなしで開始 を選択すると、HoloLens2 へのインストールが開始されます。
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Wifi接続時の注意事項

Wifi接続を利用して、初めて「リモートコンピューター」へのインストールを実施する場合はPIN の入力を要求されます。
インストール実行時に VisualStudio で以下のダイアログが表示されます。
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HoloLens2 側で[設定(Settings)]パネルを開き、[更新とセキュリティ(Update & Security)]を選択します。
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[開発者向け(For developers)]タブを開き、[デバイスの検出(Device discovery)]欄にある[ペアリング(Pair)]ボタンをタップします。
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ウィンドウが開き、PIN が表示されます。
これが先ほどのダイアログに入力する PIN になります。
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HoloLens2での動作確認

インストールが完了すると、アプリケーションがデバイス上で起動します。
アプリが起動すると、目の前に「ハローワールド」のテキストオブジェクトが現れます。
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手で掴んで持ち歩いたり、回転させたり、両手で掴んで引き延ばしたりできます。
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アプリは「すべて」の一覧の中に Unity プロジェクトの名前でインストールされています。
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