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Blender標準テクニック[ローポリキャラクター制作で学ぶ3DCG]を試す その71(マテリアル境界の一括シーム付け)

本日は書籍「Blender標準テクニック[ローポリキャラクター制作で学ぶ3DCG]」の実施枠です。

本日は機械パーツのUV展開を実施していきます。
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前回のボディ部分でマテリアル毎にシーム付けを行いました。機械パーツも同様の作業を行います。
少し凝った方法として、オブジェクト分離を利用してマテリアル境界で一括にシーム付けを行う方法が紹介されています。
今回は機械パーツでその方法を試してみます。

まずは機械パーツオブジェクトの「編集モード」で全てのメッシュを選択します。
その状態で、メッシュ -> 頂点 -> 別オブジェクトに分離(またはPキー) -> マテリアル を選択します。
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するとオブジェクトがマテリアル毎に分離されます。
今回は、黄、青、灰、黒 の4つのオブジェクトに機械パーツが分離されました。
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次に「オブジェクトモード」で分離された4つのオブジェクトを選択します。
オブジェクト -> 結合(またはCtrl+Jキー) でオブジェクトを再結合します。
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この状態で、結合された機械パーツオブジェクトの「編集モード」に入ります。
一見すると元と同じ状態ですが、実際にはマテリアル毎にメッシュが切り離された状態になっています。
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この状態で「辺選択」(選択モード中の中央のアイコン)に切り替えます。
選択 -> 特徴で全選択 -> 非多様体を選択(またはShift+Ctrl+Alt+Mキー) を実行します。
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「非多様体」とは閉じていない頂点を指します。つまり、メッシュの切り口部分が選択されます。
この時点のメッシュでは、つまりマテリアルの境界部分を選択することになります。
よって、この状態で メッシュ -> 辺 -> シームを付ける を実行すれば、マテリアルの境界にシーム付けが行われます。
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最後に、分離されていたメッシュを元の状態に戻せば完了です。
全てのメッシュを選択状態にし(Aキー)、メッシュ -> 頂点 -> 重複頂点を削除 を実行します。
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これでマテリアルの境界へのシーム付けが完了しました。
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ただし、このままUV展開を行っても未だ閉じた立体が多いため、上手く展開はされません。
そこで機械パーツでは「スマートUV投影」という展開方法を利用してみます。

全てのメッシュを選択した状態で、メッシュ -> UV展開 -> スマートUV投影 を実行します。
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次にダイアログが表示されるので「島の余白」を 0.01 に変更して「OK」をクリックします。
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すると以下のように自動で細かくUV展開されました。
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スマートUV投影は、メッシュの法線を基に切り分けを行い、UV展開を実行する機能です。
このため、閉じた立体が自動で展開されることになります。
見た通り、不要なまでに細かく細分化してしまうため、有機的なメッシュでは不自然な切り分けが発生するリスクがあります。

なお、「スマートUV投影」でもUVが重なりなく展開されるとは限らないようです。
念のため、UV島の一つ一つの確認を行い、UVの重なりが発生していた場合は手動でシームを付ける必要があります。

確認したところ、足の部分のUV展開に重なりがあったため、手動でシーム付けを行いました。
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別オブジェクトのスラスター、武器パーツについても同様の手順を行い、機械パーツのUV展開は完了です。
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