本日は MRTK の調査枠です。
MRTK で提供されるサンプルマテリアルを確認します。
MRTK で提供されるマテリアルはHoloLens上で60fpsで動作するように最適化されています。
HoloLensで様々な表現を行いたい時に活用します。
サンプルシーンの確認
MRTK に含まれるマテリアルは Examples のサンプルシーンで確認できます。
Examples のサンプルシーンの利用方法は以下を参照下さい。
bluebirdofoz.hatenablog.com
Assets/HoloToolkit-Examples/StandardShader/Scenes 配下の MaterialGallery.unity を開きます。
マテリアルの種類と効果
サンプルシーンで確認できるマテリアルはプログラム的なシェーディングと標準的なシェーディングを合わせた 22 種類です。
これらのマテリアルは MixedRealityToolkit/Standard マテリアルのステータスを調整することで様々な効果のサンプルを表示しています。
それぞれの名称は使用例の名称であり、マテリアル名ではありません。
プログラム的なシェーディング
以下の9種類のマテリアルはプログラム的なシェーディングの使用例です。
マテリアルのステータスを調整することで境界線の大きさや円の半径など様々な表示パラメータを調整できます。
Rounded Crners
オブジェクトの境界線の表示をカットします。
設定されたアニメーションにより、ステータスの[Unit Radius]を変更して時間経過で境界線の形が変形します。
Rounded Corners Non-Uniform Scale
Rounded Crnersと同様です。長方形のパネルオブジェクトの境界線をカットしています。
アニメーションによる変形は行いません。
Circular Crners
オブジェクトの面の部分を丸く表示します。
Rounded Corners Opaque
境界線の表示をカットし、更に面の部分の表示についても中央部分の表示範囲を設定できます。
Border Cube
境界線のみ色合いを変更したり、ライトによる色の変化を調整できます。
Opaque Border
境界線のみ表示します。ワイヤーフレームのような見た目になります。
Wax
境界線がより強調されて光を反射します。金属光沢のような見た目になります。
Inner Glow
境界線の光彩を設定します。基本色と色を変えることで境界線が強調されるような見た目になります。
Environment Color
見る方向によって色合いが変わります。X/Y/Z軸それぞれから見た場合のカラーを設定できます。
標準的なシェーディング
以下の13種類のマテリアルは標準的なシェーディングとしての使用例です。
MixedRealityToolkit/Standard マテリアルで標準的なシェーディング手法の表現を利用する際のサンプルになります。
Unit
基本色を表示する最もシンプルな使用例です。
Default Lit
ディレクショナルライトによるシンプルなハイライト(艶)表現を設定した使用例です。
Semi Smooth
Default Litに鏡面反射の効果を重ね合わせたものです。
Smooth Metallic
Semi Smoothにメタリック光沢を設定したものです。
これにより、光の反射だけでなくSkyBoxの背景も反射しています。
smoothness(滑らかさ)を高くするとよりハッキリと、低くするとボヤけた反射になります。
Normal Map
Default Litに法線マップを追加したものです。
Normal Map Transparent
Normal Mapに透明色を重ねたものです。
Albedo Alpha Smoothness
アルファ値が設定されたテクスチャを設定し、アルファ値をメタリック光沢として利用したものです。
テクスチャのアルファ値はテクスチャのInspectorビューで[表示切り替え]ボタンをクリックすることで確認できます。
Cull Off Alpha Test
裏面表示(Cull Off)を設定したものです。
更にレンダーモードを[TransparentCutout]に設定することでテクスチャのアルファ値部分を非表示に設定しています。
Rim Lit
物体の輪郭部分が光るリムライト効果を設定したものです。
また、レンダーモードを[Addtive]に設定し、[黒色]を乗算しているため、基本色が透明になっています。
Refractive
Semi SmoothとRim Litを組み合わせたものです。基本色には半透明色が設定されています。
Near Plane Fade Environment Color
近距離のフェードアウト効果を設定したものです。
ステータスの設定からフェードアウト効果の発生開始距離を設定できます。
Clipping Plane
物体の描画を任意の位置で分断する Clipping Plane の効果を設定したものです。
Clipping Plane スクリプトをアタッチされた子オブジェクトの位置に合わせてオブジェクトが切り取り表示されます。
Clipping Plane Soft
物体の描画を任意の位置で分断する Clipping Plane の効果を設定したものです。
Clipping Plane と比較すると境界線がなだらかな階調的に変化します。
サンプルシーンのライト効果
シーンのカーソルには HoverLight コンポーネントが設定されています。
これにより、マテリアルオブジェクトに視点を合わせると、カーソルの位置にライトの効果がシミュレーションされます。